その情報の真偽はいかに?正しい知識を持つために今やるべきこと
エステティック業界では、ここ10数年の間にさまざまな事件や行政処分が相次ぎました。
その多くに共通しているのは、「情報の真偽を見極められなかったこと」です。
今回は、近年話題となった事例を振り返りながら、今、私たちが何を学ぶべきかを整理していきます。
2007年 ワールドビューティック事件(光脱毛機)
当時、海外で医療機器として扱われていた脱毛機を「雑貨」として輸入したことで、関税法違反・薬事法違反により逮捕。
さらに、その機器を導入していたエステティックサロンにおいてお客様への被害が発生し、サロン経営者やスタッフも医師法違反・過失傷害で摘発されました。
この機器は展示会や業界誌で大々的に紹介されていたため、多くのエステティックサロンが「安全なもの」と信じて導入してしまった背景があります。
■ この事件からの教訓
この事件が示しているのは、「どこで紹介されているか」ではなく、「法的にどう位置づけられているか」を見極める重要性です。
展示会や業界誌、メーカーの説明がどれほど魅力的であっても、その情報だけで判断してしまうと、結果的にサロン自身が責任を負うことになります。
特にエステティックサロン経営においては、
✅ 機器が医療領域に該当しないか
✅ 使用方法が法令に抵触していないか
✅ 安全性やリスクの裏付けがあるか
これらを経営者自身の視点で確認する姿勢が不可欠です。
「信頼できる情報に見えるもの」ほど、一度立ち止まって確認する。
それが、お客様とサロンを守る最も基本的なリスクマネジメントです。

2012年 ドクター高橋事件(レーザー脱毛機)
勉強会やインターネットを通じて理論を広め、エステティック業界から高い信頼を集めていた医師が、「医師法違反にはあたらない」と主張し、レーザー脱毛機の使用を推奨。
しかし、実際には火傷などの被害が発生し、厚生労働省の見解とも異なる運用であったことから、最終的には医師法違反で逮捕されました。
その影響は大きく、機器を導入していたエステティックサロンも、廃業に追い込まれるケースが生じました。
■ この事件からの教訓
この事件が示しているのは、「誰が言っているか」ではなく、「公的にどう判断されているか」を基準にする重要性です。
専門家や医師の発信であっても、それが必ずしも法的に正しいとは限りません。
特にエステティックサロン経営においては、
✅ 厚生労働省など公的機関の見解と一致しているか
✅ 医療行為に該当する可能性はないか
✅ 安全性やリスクが十分に検証されているか
これらを客観的な基準で確認することが求められます。
「専門家が言っているから安心」ではなく、「公的に認められているか」で判断する。
その視点が、サロンとお客様を守る分岐点になります。

2015年 MDS事件(痩身機器)
未承認の痩身機器を使用したことにより、薬機法違反で経営者らが逮捕されました。
また、展示会カタログに掲載されていた広告表現も問題視され、その内容が誇大であったことから、結果的に違反行為を助長する要因となりました。
この事件の背景には、機器そのものの問題に加え、法令に対する理解不足と広告表現への認識の甘さがあったとされています。
■ この事件からの教訓
この事件が示しているのは、「知らなかった」では通用しないのが法令であるという現実です。
特にエステティックサロン経営においては、
✅ 使用する機器が法的に問題ないか
✅ 未承認機器に該当しないか
✅ 広告表現が誇大になっていないか
これらを事前に確認することが不可欠です。
さらに重要なのは、展示会やカタログの情報であっても、そのまま受け取るのではなく、自サロンの責任において適法性を判断する視点を持つことです。
「魅力的に見える情報」ほど、根拠と適法性を確認する。
その一手間が、サロン経営のリスクを大きく左右します。

近年の事例(2020年代)
ここ数年は、機器の安全性だけでなく、化粧品や施術メニューにおける「広告・表現」そのものにも、厳しい視線が向けられています。
• ハイフ(HIFU)機器
医療機器に該当する施術をエステティックサロンで行ったことにより、事故やトラブル、損害賠償に発展した事例が報告されています。
また、医師免許を有しない者による施術は医師法に抵触する可能性があるとして、行政による監視や指導も強化されています。
さらに、「切らないリフトアップ」「シワ・たるみ改善」といった身体への作用を強く示唆する広告表現についても問題視され、サロンに対する直接的な注意・指導が増えているのが現状です。
• 化粧品の薬機法違反
「シミが消える」「細胞を活性化する」など、医薬品レベルの効能を想起させる表現がSNSやチラシで広がり、薬機法違反として摘発される事例が増えています。
対象となるのは、大手メーカーに限りません。
中小のエステティックサロンや個人経営者も含まれており、処分件数は年々増加しています。
• 誇大広告の規制強化
景品表示法や特定商取引法による規制も強化されており、広告表現に対するチェックは年々厳しくなっています。
その中で課題となっているのが、「どこまでが適正で、どこからが違反となるのか」という線引きが正しく理解されていないことです。
結果として、意図せず違反となり、トラブルに発展してしまうケースも少なくありません。
■ ここから見えてくる共通の課題
これらの事例に共通しているのは、「機器や商品そのもの」ではなく、「伝え方」と「理解のズレ」です。
本来は問題のないサービスであっても、
✅ 医療的な作用を示唆する表現
✅ 根拠のない効果の強調
✅ 法令の理解不足による誤った発信
これらが重なることで、違反へとつながってしまいます。
■ この流れからの教訓
今、エステティックサロン経営に求められているのは、「何を使うか」ではなく、「どう伝えるか」を管理する視点です。
そのためには、
✅ 表現が法令に抵触していないかを確認する
✅ 情報の根拠を理解した上で発信する
✅ 「魅力的な言葉」よりも「正確な言葉」を選ぶ
といった姿勢が欠かせません。
広告は集客のための手段であると同時に、信頼を築くための入口です。
その一つひとつの言葉が、サロンの未来に大きく影響します。
法令違反の責任はどこにあるのか?
ここで、最も重要なポイントがあります。
それは——
広告や表現の責任は、最終的にサロン側にあるということです。
メーカーやディーラーが作成した資料であっても、それを使ってお客様に伝えるのはサロン自身。
つまり、次の点を理解しておく必要があります。
✅ 化粧品は薬機法で規制される
✅ 美容機器は薬機法非該当(雑貨)扱いが多いため、安全性は自己責任
✅ 広告は景品表示法で「消費者に誤解を与えない」ことが最重要
この前提を理解しておくことが、経営者としての基本姿勢です。
情報に振り回されないために
現在はSNSや広告を通じて、膨大な情報が日々流れています。
だからこそ必要なのは、「正しい情報を選び取る力」です。
そのために、今すぐ取り組んでいただきたいことは——
✅ 薬機法・景品表示法・医師法の基礎を理解する
✅ 公的機関や業界団体から情報を得る
✅ メーカー資料をそのまま使わず、自サロンに合わせて表現を見直す
この積み重ねが、リスクを防ぎ、信頼につながります。
最後に
法律違反は、もはや「知らなかった」では済まされない時代です。
そしてもう一つ大切なのは、
情報は“誰が言っているか”ではなく、“何を根拠にしているか”で判断すること。
目の前の情報を一度立ち止まって見直すことが、サロンを守ることにつながります。
経営のヒントを、分かりやすい言葉で・・
経営のヒントを、分かりやすい言葉でお届けしました。少し専門的な内容もありましたが、どれもエステティックサロンを長く続けていくための大切な視点です。日々の発信やメニューづくりの中で、「この表現で本当に伝わるだろうか?」と一度立ち止まってみる。
その積み重ねが、信頼へとつながっていきます。インスタグラムでは、現場ですぐに活かせる形でお伝えしていますので、
よろしければ覗いてみてくださいね。
▶︎ @yumiko_kusano
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草野 由美子【小規模サロン経営アカデミーJESMA日本エステティックサロン経営学院】(@yumiko_kusano)がシェアした投稿
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