個人サロンのリピート率が安定しない|良い月と悪い月で何が変わっているのか
月末に予約表や顧客管理の記録を確認すると、先月は高かったリピート率が、今月は下がっています。
カウンセリングや施術の進め方を大きく変えた覚えはないのに、なぜ数字が変わったのかが分かりません。
このような時、サロンオーナーは「今月は接客が足りなかったのか」「次回予約の提案が弱かったのか」と、一人ひとりのお客様への対応を思い返します。
施術後の効果を十分に伝えられなかったのか、お客様の希望をきちんと聴けなかったのかと、自分の施術や説明を振り返ることもあるでしょう。
しかし、個人サロンのリピート率が安定しない理由は、サロンオーナーの接客や施術が毎月大きく変わっているからとは限りません。
毎月同じ「リピート率」という数字を確認していても、どのお客様の、どの時期までの来店を確認した数字なのかが違えば、その意味も変わります。
この記事では、エステティックサロンの現場に沿って、良い月と悪い月で何が変わっているのかを解説します。
個人サロンのリピート率が安定しない時に起きていること

【個人サロンのリピート率が安定しない時は、初回来店後のお客様と継続中のお客様を分けることで、月ごとの数字が変わる理由を確認しやすくなります。】
個人サロンのリピート率が安定しない時は、接客や施術の流れを大きく変えていなくても、月ごとの数字に差が出ます。
初回来店後のお客様と継続中のお客様を分けて確認していないと、良かった月も悪かった月も、数字が変わった理由を説明できません。
接客や施術を変えていないのに数字が変わる時は、月ごとのリピート率に含まれているお客様の来店段階が違っているのです。
同じように接客していても月ごとの数字が変わる
個人サロンでは、サロンオーナー自身がカウンセリング、施術、次回来店の案内まで担当します。
お客様の肌や身体の状態を確認し、希望を聴いたうえで、その日に必要な施術を提供します。
施術後には変化を一緒に確認し、次回来店までの過ごし方を伝え、継続して施術を受ける理由も説明しています。
先月と今月で、この接客の流れを大きく変えていないのに、月末に数字を確認するとリピート率が違います。
予約表を見返しても、特別に接客が悪かった日は思い当たりません。
顧客記録を確認しても、大きな不満は見当たりません。
施術後のお客様の表情や会話からも、施術や接客に大きな不満があった様子は見られません。
それでも次の来店につながったお客様の人数が少ないと、自分の対応のどこに原因があったのか分からなくなります。
良い月があるからこそ、「接客や施術がいつも悪いわけではない」と思う一方で、悪い月との違いを説明できない悩みが残るのです。
良かった月にも悪かった月にも理由が見つからない
リピート率が下がった月、サロンオーナーは施術、接客、提案、来店後のフォローまで、一つずつ振り返ります。
ところが、翌月に数字が上がっても、何を変えたから良くなったのかは分かりません。
初回のお客様への説明が影響したのか、既存のお客様の来店が重なったのか、次回予約が当月に集中したのかを区別できないためです。
良い月の理由が分からなければ、数字が上がっても安心できません。
また翌月に下がるのではないかと考え、予約表を確認しても安心できません。
リピート率は、サロン経営を理解するための大切な指標です。
ただし、一つの割合を見るだけでは、何がリピート率へ影響したのかまでは分かりません。
リピート率が下がると自分の接客を疑ってしまう

【個人サロンのリピート率が安定しないと、サロンオーナーは施術やカウンセリング、提案に不足があったのではないかと考えやすいです。】
リピート率が下がった時、サロンオーナーは数字の変化を、自分の施術やカウンセリング、提案の不足として受け止めやすくなります。
お客様に満足していただきたいと考え、一人ひとりに合わせて対応してきたからこそ、「自分の説明や提案に足りない部分があったのではないか」と考えるのです。
施術やカウンセリングで足りなかったことを探してしまうのは、お客様に合わせた対応を大切にしてきたからです。
施術やカウンセリングで足りなかったことを探してしまう
お客様に継続して通っていただきたいと思うほど、リピート率が下がった理由を、自分の接客や施術、提案の中から探してしまいます。
カウンセリングでお客様の希望を十分に聴けていなかったのではないか。
施術の効果や価値を分かりやすく伝えきれなかったのではないか。
価格の説明が先に伝わり、継続して通う理由までお客様へ伝えられなかったのではないか。
このように、施術中や会計時の会話まで思い返します。
お客様の満足度を大切にし、丁寧に接客してきたサロンオーナーほど、自分の説明や提案に足りない部分があったのではないかと考えるものです。
初回のお客様が施術に満足していても、2回目の来店時期は、お客様の予定や施術の目的によって変わります。
数字が下がったという事実だけを見て、技術や接客が悪かったとは判断できません。
お客様に合わせてきたから提案の違いが気になる
サロンオーナーは、すべてのお客様へ同じ案内をしてきたわけではありません。
肌や身体の状態、来店できる時間、予算、継続する目的を確認しながら、その方に合わせて提案しています。
次回予約を強く勧めるよりも、お客様の予定や気持ちを尊重したいと考えてきたサロンオーナーもいるでしょう。
初回来店の時点で次の予約を決めるお客様もいれば、自宅で施術後の変化を確認してから連絡するお客様もいます。
一方で、既存のお客様であっても、毎月来店される方と、身体の状態に合わせて期間を空ける方では、次回来店の時期が違います。
このように、お客様によって次回来店の決め方や来店時期は同じではありません。
お客様に合わせてきたこと自体が悪いのではありません。
ただ、お客様ごとに提案の内容と来店時期が違う中で、月ごとのリピート率を比べるだけでは、提案が数字へどの程度影響したのかを判断しにくくなります。
良い月と悪い月では同じリピート率を見ているとは限らない

【個人サロンのリピート率が安定しない時は、初回来店後のお客様と継続中のお客様の割合や、次回来店が反映される時期を分けて確認する必要があります。】
毎月同じ「リピート率」を確認していても、良い月と悪い月で数字の中身が同じとは限りません。
毎月のリピート率には、来店段階の異なるお客様が含まれています。
さらに、お客様が次に来店される時期によって、数字へ反映される月も変わります。
良い月と悪い月では、初回来店後のお客様と継続中のお客様の割合が違います。
初回来店後と継続中のお客様では数字の意味が違う
リピート率を確認する時は、初回来店後に2回目を迎えるお客様と、すでに継続しているお客様が同じ数字に含まれていることがあります。
しかし、二つの数字が表している内容は同じではありません。
初回来店後は、お客様が施術や接客を受けて、もう一度このサロンへ通うかどうかを考える段階にあります。
一方、継続中のお客様は、すでにサロンの価値を理解し、定期的に通っている段階です。
初回来店のお客様が多かった月は、まだ2回目の来店時期を迎えていないお客様もいます。
一方で、既存のお客様の来店が多かった月は、継続して来店されているお客様の数字が反映されやすくなります。
来店するお客様の数が同じでも、初回来店のお客様と既存のお客様の割合が違えば、月ごとのリピート率も変わるのです。
月によってリピート率に含まれるお客様が変わる
良い月と悪い月では、来店されたお客様の内訳が違います。
初回のお客様が多い月、継続中のお客様が多い月、しばらく来店が空いていたお客様が戻られた月では、同じリピート率でも数字が表す内容は異なります。
一人で経営する個人サロンでも、月によってお客様の来店段階は変わります。
初回来店のお客様が増えた月は、まだ2回目の来店時期を迎えていないお客様も増えるのです。
そのため、売上や来店されるお客様の数が増えていても、リピート率は低くなる月があります。
この数字だけで、接客や施術への評価が下がり、継続して通われるお客様が減ったとは判断できません。
お客様が戻る時期によって数字へ反映される月が変わる
お客様が次に来店されるまでの期間は、受けている施術や来店目的によって違います。
短い間隔で継続する方もいれば、数週間後や数か月後に戻る方もいるのです。
来店後すぐに次回予約が入れば、その場で継続の予定を確認できます。
後日予約されるお客様は、次の来店がリピート率へ反映されるまでに時間がかかります。
さらに、月末の時点では次の来店に至っていなくても、翌月に予約が入ることがあります。
どの期間までの来店を数字に含めるのかによって、リピート率の数値は変わるのです。
こうした違いがあるため、年間を通して継続して来店されているお客様でも、毎月来店されるとは限りません。
このように月単位の数字だけで判断すると、来店周期の違いによって、実際には継続して来店されているお客様がいても、リピート率が低くなる月があります。
リピート率だけでは何が変わったのかは分からない

【個人サロンのリピート率が安定しない時は、前月との差だけではなく、お客様の来店段階や数字へ反映される時期まで確認する必要があります。】
月末に確認したリピート率を前月と比べても、数字が変わった理由までは分かりません。
接客や施術が変わったのか、初回来店後のお客様と継続して来店されているお客様の割合が変わったのか、お客様の来店が数字へ反映される月が変わったのかは、リピート率だけでは区別できません。
同じ割合でも、リピートしているお客様の来店段階まで同じとは限りません。
数字が下がったからといって、継続して通われるお客様が減ったとは限りません。
前月との差だけでは、接客が数字へ与えた影響も判断できないのです。
同じ割合でもリピートしているお客様の状況は違う
リピート率が同じでも、サロンで起きていることまで同じとは限りません。
初回来店後に2回目を迎えたお客様が多い月は、初回から次の来店につながったお客様が多い月です。
一方、継続して来店されているお客様の来店が重なった月は、すでに通われているお客様の来店が多い月です。
数字が下がっても継続して通うお客様が減ったとは限らない
リピート率が下がると、お客様がサロンから離れているように感じます。
しかし、初回のお客様が増え、まだ2回目の来店時期を迎えていないこともあります。
継続して来店されるお客様の来店予定が翌月へ移り、今月の来店人数が少なくなることもあるのです。
予約変更が重なり、数字へ反映される月がずれることもあります。
このような違いを確認しないまま、月ごとのリピート率を見ただけで接客を変えると、お客様から支持されている対応まで変えてしまいます。
お客様から支持されている技術や、カウンセリングで大切にしてきた会話まで否定する必要はありません。
数字が下がった時は、継続して通うお客様が減ったと受け止める前に、その月は初回のお客様が多かったのか、継続中のお客様の来店が多かったのかを確認します。
前月との差だけでは接客の影響も判断できない
接客や施術を振り返ることは、サロン経営において必要な確認です。
しかし、前月と今月でお客様の来店状況や、どの期間までの来店を数字に含めるのかが違えば、数字の差が接客によるものかどうかは判断できません。
例えば、先月は継続中のお客様が多く、今月は初回のお客様が多かったとします。
この二つの月をリピート率だけで比べても、数字の差が接客によるものなのか、初回来店後のお客様と継続して来店されているお客様の割合によるものなのかは分かりません。
数字が変わった理由を理解するには、リピート率が高いか低いかを見るよりも、その数字に含まれているお客様の来店状況を確認する必要があります。
個人サロンのリピート率を見直す時は、数字だけではなく、お客様の来店がどの場面で続かなくなっているのかを分けて確認する必要があります。
リピート率を上げるために確認したい内容は、個人サロンのリピート率を上げるにはで解説しています。
リピート率が安定しない原因を努力不足だけにしない

【個人サロンのリピート率が安定しない原因は、接客力だけではなく、お客様の来店段階や数字に含める期間の違いも関係しています。】
個人サロンのリピート率が安定しない理由を、サロンオーナーの努力や接客力だけの問題にする必要はありません。
お客様へ丁寧に対応していても、それだけでは毎月のリピート率が何を表しているのかまでは分からないのです。
原因が分からなかったのは、良い月と悪い月で、初回来店後のお客様と継続して来店されているお客様の割合や、どの期間までの来店を数字に含めていたのかが違っていたからです。
丁寧な施術と数字の見方は分けて考える
お客様に合わせてカウンセリングを行い、必要な施術を提供し、次回の来店を丁寧に案内してきました。
その対応は、数字が下がったからといって、すべて間違いだったことにはなりません。
丁寧に接客することと、毎月のリピート率が何を示しているのかを理解することは、別の話です。
お客様を大切にして丁寧に接客してきても、それだけではリピート率が変わった理由までは説明できません。
一方で、サロンオーナーが数字を追うだけでは、お客様がサロンへ通う理由や施術の価値までは分かりません。
リピート率は、接客の良し悪しを一つの数字で決めるものではなく、継続しているお客様の動きを理解するための指標です。
原因が分からなかったのは毎月同じ内容の数字だと思っていたから
個人サロンのリピート率が安定しない時、サロンオーナーの努力や能力だけが原因ではありません。
毎月同じ「リピート率」という名称で確認していたため、同じ内容の数字を比べていると思っていたのです。
しかし、実際には初めて来店されたお客様、2回目に来店されたお客様、継続して来店されているお客様といった来店段階が混在しています。
さらに、次の来店までの期間や予約のタイミングも、お客様ごとに違います。
この違いが区別されていなければ、良い月にも悪い月にも、数字が変わった理由を説明できません。
毎月の数字を記録してきたことが無駄だったわけではありません。
顧客管理を続けてきたからこそ、どのお客様がいつ来店されたのかを確認できる記録が残っています。
その記録を確認すると、接客や施術が変わったのか、お客様の来店時期が変わったのかを分けて考えられます。
個人サロンのリピート率が安定しない時は数字の中身を理解する

【個人サロンのリピート率が安定しない時は、予約表や顧客記録を確認し、来店段階や集計期間の違いを把握することがポイントです。】
個人サロンのリピート率が安定しない時は、数字が下がった月だけを見て、自分の接客や施術を否定する必要はありません。
良い月と悪い月では、初回来店後のお客様、継続中のお客様、来店間隔が空いていたお客様など、リピート率に含まれるお客様の来店段階が違います。
継続来店までの期間や予約のタイミングが変われば、同じお客様でも数字へ反映される月は変わります。
月ごとのリピート率を比べるだけでは、何が数字へ影響したのかを説明できません。
リピート率を記録していても、その数字がどのお客様のどの期間の来店を表しているのかまでは分からないのです。
数字が下がった時は、すぐに接客や提案を変える前に、良い月と悪い月で、リピート率に含まれるお客様の来店段階がどう違うのか、どの期間までの次回来店を数字に含めていたのかを確認します。
リピート率は、サロン経営で確認する数字の一つです。
リピート率を予約表や顧客記録に残っている来店状況と結びつけると、数字が変わった時に、接客や施術の不足と考える前に何を確認すればよいのかが分かります。
JESMAの動画シリーズでは、個人サロン経営で確認したい数字の見方と、売上やリピート、お客様との継続関係の考え方を、エステティックサロンの現場に沿って解説しています。
数字を記録していても、次に何を確認すればよいのか分からない方もいるでしょう。
また、リピート率の変化を、自分の接客不足として受け止めている方もいるかもしれません。
そのような時は、サロン経営を理解するきっかけとしてご覧ください。