#1 サロン経営のお悩み解決!《おもてなしの準備とリスクマネジメント》
繁盛サロンのやっていることをプロが解説
いつも予約でいっぱいのサロンは、何が違うの?
おもてなしの準備とリスクマネジメント
神は細部に宿る
「いつも予約でいっぱいの繁盛サロンと、いつも集客に頭を悩ませているサロンでは、
何が違うのだろう?」・・・と思ったことはありませんか?
これは、あらゆるサービス業に通じる話でもありますね。
顧客満足とは
サービス業の利用には、店舗という形のないインターネットサービスを利用する場合や、エステティックサロンや飲食店のように店舗を利用する場合があります。
お客様が店舗のないサービスを利用している時に、何も不便を感じず、快適に利用できたとしたら、その利用者はそのサービスのリピーターになる可能性は高いですよね。
もし不便を感じたとしても、その時にスムーズにサポートできる体制が整っていれば、かえって親切に対応してもらったという好印象が残ります。
結果として「あの会社は丁寧に教えてくれるよ」という口コミから、良い評判が広まることもあります。
店舗のあるサービス業の場合も、滞在時間中に何も不便・不快を感じず、快適な時間を過ごせたとしたら、またそのお店に行きたくなる可能性は高くなります。
さらに、自分だけではなく、家族や友人と一緒に利用したり、周りの人に紹介したり、SNSでシェアされることも増えるようになりますね。
このように、その事業者のサービスやフォロー体制にお客様が満足できてはじめて、継続的な利用や来店につながるんですね。
そうやって繁盛店になっていくんです。
リスクマネジメント
繁盛店になったのは、何をやっている結果なのでしょう。
「神は細部に宿る」という言葉があります。
その言葉のように、いかにお客様のことを細部まで深く深く考えて、おもてなしの準備をしているかということですね。
その一方で、「こういう場合は、こういう不便があるかもしれない」、「こうなりやすいから、このように先回りの準備をしておこう」というようなことを具体的に考えていきます。
そのような、お客様にとっての不便・不快になるかもしれない状況を想定して、それらの状況に対する準備をしておくこと。
この準備をしておくことで、いざというときに慌てずに、お客様に対して誠実な対応ができるようになるのです。
これをリスクマネジメントと言います。
おもてなしの準備とリスクマネジメント
例えば、「あなたが子供の頃にとても仲良しだった友達が、久しぶりに遊びに来る」ことになったとします。
その時あなたは、どんな気持ちで、どんな準備をしますか?
まずは、部屋を片付けてお掃除をしませんか?
友達の喜ぶ顔を思い浮かべながら、日頃はめんどくさく感じるお掃除も、ルームフレグランスを使用したりして、なんだかワクワクしながらできたりしますね。
それから、友達が好きだった食べ物や飲み物を準備したり、一緒に写っている写真をアルバムから出しておいたり。
ここまでは、おもてなしの準備です。
では、もう一方の、お友達にとっての不便・不快になるかもしれない状況って何でしょう?
「車で来るのかな。電車で来るのかな。確認しておかなくちゃ。」
「車なら、近くの駐車場を探しておいて、電車なら駅からの地図をメールで送っておこう。」
「ビールを用意したけど、お酒は飲めないかもしれない。ソフトドリンクも用意しなくちゃ。」
など、その他にもいろいろなことが考えられますね。
◆ 大切なお友達の喜ぶ顔を思い浮かべながら、おもてなしの準備をすること。
◆ 不便・不快になるかもしれない状況を先回りして、対応する準備をしておくこと。
この準備ができていれば、お友達とのスムーズな再会が果たせて、楽しい時間を過ごせることでしょう。
逆に、この準備ができていなくて、お友達が駐車場を探すのに時間が掛かってしまったら、疲れてしまうかもしれませんよね。
その上、駐車場を探している時間の分、一緒に過ごせる楽しい時間は短くなってしまいます。
エステティックサロンに求められる
エステティシャン マインド
エステティックサロンは、あらゆるサービス業の中でも、特に質の高い接客・ホスピタリティ(心のこもったおもてなし)を求められる職業です。
私は、そのホスピタリティに、お客様の「心身の美と健康」に対するエステティシャンとしての気づきや気配りを加えて「エステティシャンマインド」と呼んでいます。
クレームからの気づき
繁盛サロンでは、エステティシャンマインドで、お客様のお迎えからお見送りまで、まさに「かゆいところに手が届く」おもてなしと、「お客様が不快に感じる状況」を事前に想定して、先回りの対応をしています。
ところが、この「お客様が不快に感じる状況」は、自分がお客様としての目線でイメージ力を働かせないと、なかなか気づけないものなのです。
例えば、大手エステティックサロンでは、お客様からの厳しいご意見やクレームが、対象のスタッフ個人にではなく、本社のカスタマーセンターに入るようになっています。
このようなお客様の厳しいご意見やクレームというお声こそが「お客様が不快に感じる状況」を知ることができる、貴重な機会なのですね。
カスタマーセンターに入った「お客様が不快に感じる状況」に対して、同じことを繰り返さないように対応していくことで、常にサロンとしてグレードアップしていくことができるのです。
一方、個人サロンの場合は、お客様が「なにか不快に感じること」があっても、何も言わずにただ来なくなることが多いのです。
目の前の本人に、面と向かって否定的なことは言いにくいものですよね。
クレームを言うのもエネルギーを使いますので、お客様は何も言わずにお帰りになって、結果としてリピートにつながらないことが多くなってしまうのです。
このようなことから、個人サロンの場合、自分がいかにお客様の立場や目線で自分のサロンを客観的に観察できるかがポイントになります。
個人サロンの経営者
繁盛しているエステティックサロンに勤務しているエステティシャンは、キャリアによって、アシスタント、フロント、カウンセラー、エステティシャン、チーフ、店長など、自分に与えられた役割を果たしています。
一方の、繁盛している個人サロンのオーナーエステティシャンやセラピストは、そのすべての仕事をひとりで担っているのです。
そのすべてとはなんでしょう?
エステティシャンという職業は、ひとりのエステティシャンが、多岐にわたる専門的な仕事を重複しておこなっている、まるでスーパーマンのような職業です。
分解してみると、それぞれが専門職と言える職業なんですね。
それらのひとつひとつの専門職をまとめてみました。
エステティシャンに必要な5つの専門職のスキル
接客業
ホテルのフロントスタッフやドアマン、飲食店のホールスタッフ、テーマパークや遊園地などのレジャー施設のスタッフなど、接客業としてのおもてなしや気配りなど、お客様の要望を先回りして対応できるスキルが求められる職業です。
カウンセラー
カウンセリングという手法を用いて、主に心理の専門家がクライエントや患者の悩みを「傾聴」「受容」「共感」しながら、クライエントや患者自身が、自ら「浄化(カタルシス)」「気づき」が得られるようにサポートしていくことをいいます。
エステティック カウンセリングとは、このカウンセリングの手法を用いて、お客様の「美と健康に対する悩み」を傾聴し、受容、共感、浄化、気づきのプロセスをおこないます。
コンサルタント
コンサルタントとは、専門的な知識を持って、お客様の抱えている課題の解決案を提示して、課題解決をサポートする職業のことをいいます。
エステティシャンは、エステティック カウンセリングをおこなった後、コンサルティングとして、お客様に適したコースやホームケアのご提案をおこないます。
サロンでは、お客様のお悩みに適したトリートメントをおこないます。
加えて、お客様の「美と健康」の悩みの原因となっている生活習慣を見極めて、お客様が無理なくできることから、ホームケアや生活習慣のアドバイスをおこなっていきます。
販売・営業職
販売・営業職の場合は、接客に加えて、商品やサービスをお客様に購入してもらう職業です。
販売・営業職は、イメージ的に「プレゼンが上手な人」、「話し上手な人」が就く職業だと思われることが多いようです。
ところが、一流の販売・営業職の方の多くは、そのイメージとは違い、自分が役に立てることはないかと、お客様の話にじっくりと耳を傾けて聴いています。
その話の内容から、お客様の困りごとの解決や、お客様がなりたい状況になるための解決策を一緒に考えて、自分の持っている商品やサービスの提案をおこなうのです。
さらに、お客様へのアフターフォローなどをおこなうことで、継続的なリピートやお知り合いへのご紹介につながるような、信頼関係が築かれていきます。
施術者
患者やお客様の目的に応じて、手技、機器、医薬品、化粧品などを用いて、身体への施術をおこないます。
施術者として、ひとの身体をあずかる者は、不特定多数の患者やお客様に施術をおこなうため、公衆衛生の知識を持ち、施設や施術者、患者様やお客様の衛生管理の徹底が必要になります。
次いで、《禁忌事項 (やってはいけないこと)》、《注意事項 (施術をおこなう際に気を付けること)》をよく理解して施術をおこないます。
エステティシャンは、個人の免許が必要な職業《医師、あん摩マッサージ師、柔道整復師、美容師など》の職業に抵触しないように施術をおこなう必要があります。
エステティックトリートメントでは、2つの目的でトリートメントをおこないます。
1.お客様の悩みに適した化粧品や機器を用いて、表出しているトラブルに対するケア
2.心地よい触覚へのアプローチによるリラクゼーション効果で、トラブルの原因となっている自律神経のバランスを整える
エステティックサロンでは、エステティシャンによる心地よいハンドトリートメント以外にも、室内の温度調整や、リラクゼーションミュージックやアロマなど、五感へのアプローチもおこなっていますね。
経営者としての役割
さらに、オーナーエステティシャン・セラピストであれば、経営者としての役割もあります。
エステティシャンとしては、人間の身体の仕組みや働きの基礎知識や、施術理論を習得しますね。
経営者としては、経営の知識や技術の習得が必要になります。
まとめ
ここまで、エステティシャンという職業に内包している5つの専門職+経営者としての役割をまとめてきました。
このように分解して見てみると、本当にエステティシャンという職業は、いろんな役割を持っている職業ですね。
繁盛しているエステティックサロンでは、そのひとつひとつの専門職としてのスキルが高いということです。
繁盛サロンを目指すには、自分に不足しているスキルを見極めて、そのスキルを高めていくことが必要になります。
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