個人サロンのカウンセリングで提案できない理由|コースや通う理由を伝えられない時の見直し
カウンセリングでは、お客様の悩みや希望を聴き、今回行う施術についても丁寧に説明することが多いです。
施術後には「すっきりしました」「気持ちよかったです」と言ってもらい、お客様の満足度も感じています。
それでも、次の施術やコースを提案する場面になると言葉が止まってしまいます。
本当は続けた方がよいと思っていても、言い出すのが不安になります。
「ここでコースの話をしたら押し売りに思われるのではないか」と考え、結局「また気になったら来てください」と送り出してしまいます。
そして、お客様が帰った後になって、「必要だと思っていたなら、きちんと伝えた方がよかったのではないか」と考えてしまいます。
個人サロンのカウンセリングで提案できないと悩んでいるサロンオーナーは、自分の話し方や販売力が足りないと考えやすいです。
しかし、提案の言葉を変えるだけでは、話しにくさは残ります。
カウンセリングで聴いた悩みや希望から、施術の説明、コース、通う理由までの話が一続きになっていないと、最後の提案だけが突然「販売する時間」のようになってしまうからです。
この記事では、契約につなげる話し方ではなく、丁寧に接客している個人サロンで、なぜ提案する段階になると言いにくくなるのかを解説します。
個人サロンのカウンセリングで提案できない時に起きていること

【個人サロンで提案できない時は、提案がこれまでの会話とつながっていたかを最初に確認します。】
個人サロンで提案できない時も、カウンセリングそのものができていないとは限りません。
お客様の悩みを聴き、質問をして、施術について説明するところまではできています。
ところが、「この先はどうした方がよいのか」「なぜ次の施術が必要なのか」を伝える段階になると、会話が止まります。
お客様に合わせて丁寧に対応したいサロンオーナーほど、コースや次の施術について話した瞬間に、それまでの接客が押し売りに変わってしまうように感じるのです。
そのため、カウンセリングではお客様の要望を聴くことに集中し、次の施術やコースが必要だと考えた理由を伝えるのは最後になり、提案だけをサロンオーナー自身から切り出す形になります。
サロン側で、どの段階で「必要」と判断し、お客様へ伝えるのかが決まっていなければ、提案の伝え方にぶれが生じます。
悩みを聴いて施術を説明しても、その先を伝えられない
たとえばカウンセリングで、「乾燥が気になる」「フェイスラインを何とかしたい」といった悩みを聴き、肌や身体の状態を確認して、今日行う施術を説明します。
施術中のコミュニケーションも問題なく、お客様の話に共感しながら接客できています。
ところが施術が終わると、サロンオーナーは本当は次に必要だと思う施術があっても、「どこまで伝えてよいのだろう」と考え始めます。
コースの説明をすると営業のように感じられそうで、必要だと考えていた施術やコースまで言葉にできなくなるのです。
これだとお客様の話は聴けていますが、そこから次に必要な施術やコースを説明するところまで会話が進んでいません。
カウンセリング中の会話ができていても、そこで聴いた悩みや希望が提案する理由までつながっていなければ、最後に何を伝えればよいのか迷います。
お客様に選んでもらおうとして必要な説明まで控えてしまう
個人サロンでは、お客様との信頼関係を大切にしているサロンオーナーが、自分から強く勧めることを避ける場合があります。
「無理に勧めたくない」「本人に納得して選んでもらいたい」という思いがあるからです。
そのため、サロンオーナーは最後に「どうしますか」とお客様に判断を任せたり、何も提案せずに来店を終えたりします。
この対応には、お客様の信頼を失いたくないという気持ちがあります。
ただ、お客様自身に選んでもらうためには、サロン側から必要な施術やコースについてきちんと説明しておくことも必要です。
お客様が自分で決めるためにも、エステティシャンとして把握した悩みや希望に対して、どのような施術が必要なのかを伝えることが大事です。
カウンセリングで提案できない理由を話し方だけで考えない

【提案しにくさは話し方だけでなく、カウンセリング中に提案理由を確認しているかで変わると考えます。】
提案できないと、「何と言えば自然なのか」「営業っぽくならない言い方はないか」と話し方を考えたくなります。
ところが、カウンセリングの途中で提案する理由を確認できていなければ、最後の言い方だけを変えても話しにくさは残るのです。
お客様の悩みを聴き、施術を行い、最後になって初めて「どのコースを勧めよう」と考えると、提案だけがそれまでの会話から離れてしまいます。
販売が得意かどうかを考える前に、カウンセリングで何を確認し、提案する理由をどこまでお客様に伝えていたのかを振り返ることが必要です。
最後になってから何を提案するのか考えている
施術が終わってから、「このお客様にはどのコースがよいだろう」「次回は何を提案しよう」と考えていると、そこから急に提案する理由を作らなければなりません。
それまでのカウンセリングでは、お客様の悩みを聴き、今日の施術について説明していても、その後に何が必要なのかまでは会話に含まれていないからです。
すると、サロンオーナー自身も「ここからコースを勧める」と意識し始め、言葉を選んでしまいます。
この瞬間に接客と販売の印象が分かれてしまうのです。
提案の言葉が出ない時は、言い方だけでなく、提案する理由をカウンセリング中に確認できていたのかも振り返る必要があります。
どのメニューを中心に提案するかという選定の問題とは分けて、まずは会話の中に提案する理由が含まれているのかを確認します。
カウンセリングと提案を別の時間として考えている
前半はお客様の話を聴く時間、最後は商品やコースを説明する時間と分けて考えると、提案を始める時に空気が変わります。
サロンオーナー自身が「ここからは販売」と感じていれば、お客様の反応も気になり、先ほどまで自然にできていたコミュニケーションにも迷いが出ます。
さらには、カウンセリングでは、お客様の悩みを聴くだけでなく、その内容に対してエステティシャンとして何を考えているのかを伝えるところまで含まれます。
お客様のニーズや目的を理解し、必要だと考えた施術を説明するところまで一続きであれば、最後に突然コースだけを持ち出す形にはなりません。
カウンセリングと提案を別々の仕事として考えていたことが、提案する場面だけを言いにくくしていたのです。
個人サロンのカウンセリングで悩みと提案が離れている理由

【カウンセリングでは現在の悩みだけでなく、お客様が望む状態まで確認して提案につなげることが必要です。】
お客様の現在の悩みを丁寧に聴いても、「この先どうなりたいのか」まで確認できていないと、必要な提案へ進みにくくなります。
悩みを聴くことは大事ですが、悩みの把握だけでカウンセリングを終えると、今回の施術とお客様が希望する状態との関係を説明できません。
そのまま最後にコースを説明すると、それまでの会話とコースの話が離れ、お客様にもサロンオーナーにも提案する理由が分かりにくくなるのです。
このように、お客様の悩みや希望をどこまで聴き、施術や通う理由をどこまで説明するのかが決まっていないと、最後の提案まで話がつながりにくくなります。
今の悩みを聴くところでカウンセリングが終わっている
カウンセリングシートの項目に沿って、肌や身体について質問し、今気になっていることを確認しているサロンもあります。
たとえば、「乾燥している」「むくみが気になる」といった現在の悩みは把握できていたとします。
ただ、そういったことを事前に把握していても、その悩みがどうなったらうれしいのか、どのような状態を希望して来店しているのかまで会話が進んでいなければ、その後に何を提案するのか、その理由を説明しにくくなります。
質問の数よりも、質問を通して、お客様が何を目的に施術を受けているのかまで理解できていることが重要です。
お客様自身が最初から具体的な希望を言葉にできるとは限らないため、カウンセリングでは目の前の悩みだけで終わらせず、望む状態まで確認することが必要です。
希望する状態と今回の施術の関係を説明できていない
お客様が希望していることを理解していても、今回の一回の施術でできることと、その後も必要になる施術を説明していなければ、コースの話は突然出てきます。
サロン側には、「この状態なら何回か施術を続けた方がいい」という考えがあっても、その理由がお客様に伝わっていなければ理解してもらえません。
その説明がないまま最後にコースを勧めると、お客様には「なぜ急にコースの話が出てきたのか」が分かりにくくなるのです。
施術の特徴や期待する変化を伝えていても、お客様の希望に対して今回の施術がどこまで対応するのかまで説明したことにはなりません。
たとえば、一回の施術で感じられる変化について話していても、希望する状態に近づくために何が必要なのかが示されていなければ、「では次も必要なのですね」という理解にはつながりにくくなります。
最後にコースを提示する前に、お客様の希望と施術との関係が会話の中で説明されていることが必要です。
カウンセリングでコースを説明しても通う理由が伝わらない理由

【コースの説明だけではなく、カウンセリングで聴いた悩みとそのコースの関係を具体的に結び付けて伝えます。】
コースの回数、施術内容、時間、料金を丁寧に説明しても、それだけでお客様自身の通う理由になるわけではありません。
サロン側が説明しているのは「このコースには何が含まれているのか」で、お客様が知りたいのは「なぜ自分に必要なのか」だからです。
説明が足りないから情報量を増やすのではなく、お客様の悩みや希望と、説明しているコースがどのように関係しているのかを伝える必要があります。
コースの内容が詳しく分かっても、それだけで自分に必要なプランとして理解できるわけではありません。
そのため、カウンセリングで聴いた悩みや希望とコースをどう結びつけて説明するのかを決めておく必要があるのです。
コースの内容とお客様に必要な理由は同じではない
「このコースは何回受けられます」「この施術を組み合わせます」と説明すれば、コースの内容そのものは伝わります。
しかし、お客様が知りたいのは、そのコースが自分の悩みや希望にどう関係するのかです。
サロンオーナーの頭の中では、「このお客様にはこのコースが合っている」と分かっていても、その理由まで言葉にしていなければ、お客様は同じ理解はできません。
コースの情報を増やすより、カウンセリングで聴いた内容とコースを結び付けて説明できているのかを確認した方が、提案できない理由を具体的に考えられます。
施術に満足しても次も通う理由まで伝わるとは限らない
施術後に「気持ちよかったです」「すっきりしました」と笑顔で言ってもらえると、エステティシャンとしてうれしいものです。
その日の施術に満足してもらい、信頼していただくことは重要ですが、その満足感だけで「次も通う理由」になるとは限らないのです。
「今日よかった」という気持ちがあっても、次回も施術を受ける理由が分からなければ、お客様は自分から予約を入れる判断まではできません。
この段階で問うべきことは、予約を取るための話ではなく、カウンセリングの中で「なぜ続けるのか」を説明できていたかどうかです。
提案した後の次回予約やリピートそのものに悩んでいる場合は、カウンセリングとは切り分けて考える必要があります。
個人サロンで提案できない時は押し売りへの不安と必要な説明を分ける

【押し売りの不安と、顧客が判断するために必要な説明は別物として整理しておくことが大切です。】
サロンオーナーが提案をためらう理由には、「お客様に嫌な思いをさせたくない」「売り込みだと思われたくない」という気持ちがあります。
長く通っていただきたいからこそ、一回の契約を取るために信頼関係を崩したくないと考えるのは自然です。
お客様に必要のないコースを勧めるのと、希望に合わせて必要だと考える施術を説明するのでは意味が違います。
押し売りを避けるために提案そのものを控えると、お客様が施術やコースを選ぶために必要な説明まで伝わらなくなるからです。
ここで話しにくくなるのは、サロン側でどこまでを『必要な説明』として伝えるのかが決まっていないからです。
売るための提案だと考えるほど言葉にしにくくなる
「コースを買ってもらわなければ」「契約につなげなければ」と考え始めると、それまで自然に話していた言葉を急に選ぶようになります。
どこまで言えば嫌がられないのか、お客様の表情は変わっていないかと気になり、提案そのものが重く感じられます。
その結果、自分では必要だと思っている施術まで説明できず、「考えておいてください」で終わってしまいます。
販売するための会話と、お客様が判断するために必要な情報を伝えることを同じにしてしまうと、この不安は繰り返されます。
なぜその施術が必要だと考えたのかを、お客様の悩みや希望に沿って伝えることは、強く売ることとは違うのです。
お客様に決めてもらう前に必要な内容を伝える
最終的にコースを選ぶのも、次の来店を決めるのもお客様です。
しかし、サロン側が何も伝えずにお客様だけへ判断を任せるのではありません。
現在の悩みや希望、今回行った施術、その後に必要だと考える施術を説明したうえで、お客様に選んでもらうことが重要です。
そうすることで、お客様自身が、なぜその施術やコースが必要なのかを理解したうえで選べるようになります。
ここで行うのは、無理に契約してもらうための説明ではなく、お客様が自分に必要な施術やコースを理解して選ぶための説明です。
「お客様に決めてもらう」と「何も提案しない」を同じにしないことで、押し売りへの不安と、エステティシャンとして施術やコースについて伝えることを分けて考えられます。
カウンセリング以外にも、価格やメニュー、予約、リピートなど複数の部分が気になっている場合は、個人サロンの経営の見直しで、サロン経営のどこを確認する必要があるのかを考えてみてください。
個人サロンのカウンセリングで提案できない理由を見直す

【提案できない原因を話し方だけにせず、カウンセリングの流れと伝えるべき項目を見直すことが必要です。】
カウンセリングで提案できなかった時に、販売が苦手だから、話し方が上手ではないからと、自分の能力だけを原因にしてしまう傾向があります。
しかし、そのままにすると、なぜ提案しにくくなっているのかが分からなくなります。
お客様の悩みを聴くことはできていても、その悩みと希望する状態、今回の施術、その後に必要な施術、通う理由までが一続きで説明されていなければ、最後の提案だけが突然販売のように感じられます。
お客様を大切にしたいから押し売りを避けてきたことにも、きちんと理由があります。
ただ、お客様の意思を尊重していても、施術やコースを選ぶために必要な説明まで控える必要はありません。
カウンセリングで悩みや希望をどこまで聴き、施術や通う理由をどこまでお客様に伝えるのかが決まると、「提案できない」という悩みを話し方だけの問題として考えなくてよくなります。
もし、次回予約やリピート、価格、メニューについて別の悩みが残っているのであれば、カウンセリングだけを見直しても解決しない部分があります。
個人サロンでは、施術、接客、予約対応、顧客とのコミュニケーションまで、オーナーエステティシャンが自分で考えて対応しなければいけないからです。
そのため、日々の対応は自然にできていても、サロン経営として何を決めておくのかまでは考える機会がなかったということもあります。
お客様への思いを大切にしながら、カウンセリングや提案についてサロン経営の知識として理解したい場合は、JESMA動画シリーズで、サロンを続けていくために必要な考え方を学んでみてください。