エステサロンの開業に必要なもの|営業開始までに揃える設備・備品・書類
エステサロンの開業が近づくと、最初に目につくのは、施術ベッドや美容機器、タオル、化粧品などです。
ところが、実際にお客様を迎える日を考えると、施術に使うもの以外にも、カウンセリングで使う書類や着替え・荷物を置くための備品、衛生管理や清掃用品、予約の受付方法、会計や領収書の準備まで必要になります。
勤務していたサロンでは当たり前に用意されていたものも多いため、独立して初めて「これは自分で準備するものだったのか」と気づくことも少なくありません。
必要なものが多いと感じるのは、施術に使うものと、営業を始めるために必要なものが混ざっているためです。
ここでは、オープン日にお客様が来店してから会計を終えるまでの流れに沿って、何を用意しておくのかを解説します。
オープン前の買い忘れや、必要以上の買い足しを減らすための確認にお役立てください。
エステサロン開業に必要なものは施術用品だけではない

【お客様が来店してから帰るまでに何を使うのかで備品を分けると、施術用品と営業用品の抜けを防ぎやすくなります。】
サロンを運営するには、施術ができる設備に加えて、お客様を迎えて話を聞き、着替えていただき、施術後に身支度を整え、料金を受け取り、来店内容を記録するための用品も必要です。
「何を買えばいいのだろう」と何度も検索してしまうのは、準備が遅れているからではなく、必要なものをベッド、機器、タオルといった商品名から考えているためです。
商品を一つずつ探すより、お客様がサロンへ来店してから帰るまでに何を使うのかという流れで確認すると、施術用品と営業用品を分けて考えやすくなります。
ベッドや美容機器は開業準備の中で目につきやすい
開業が具体的になると、価格が高く、サイズも大きい施術ベッドや美容機器から探したくなるものです。
ベッドや機器は施術に直接使うため、最初に気になるのは自然なことです。
ただし、ベッドを設置して美容機器が使える状態になっても、それだけでお客様を迎え、営業を完結できるわけではありません。
カウンセリングで座る椅子やテーブル、施術で使うワゴンやスツール、着替えに使うガウン、受付で使う書類なども、営業を始める時には必要になります。
来店から会計までを考えると必要なものが増える
営業初日を思い浮かべると、お客様の予約を確認して受付を行い、カウンセリング、着替えを経て施術へ入ります。
施術後には鏡で身支度を整えていただき、会計を行い、その日の施術内容やお客様の情報を記録します。
その間には、タオルやシーツの交換、使用した機材の消毒、床や施術スペースの掃除など、次のお客様を迎えるための準備もあります。
こうした一日の流れまで考えると、施術に直接使わない備品や衛生用品、書類、電話などの連絡手段も、営業開始に必要なものだと分かります。
施術ベッドや美容機器など営業初日から使う設備

【営業初日に提供する施術で何を使うのかを基準にし、機器を購入する前に設置スペースと作業動線も確認しておきましょう。】
施術に必要な設備は、施術ベッドやワゴン、スツールなど多くのサロンで使うものと、提供する施術によって必要になる美容機器に分けて考えます。
すべてのエステティックサロンに同じ機材が必要なわけではないため、「サロンを開くなら何を買うか」ではなく、「営業初日に行う施術で何を使うか」を基準に考えましょう。
業務用の機器は大きさや設置条件も異なるため、購入するものだけではなく、安全に施術できる設置スペースも合わせて確認しておく必要があります。
施術ベッド・スツール・ワゴン・タオルウォーマー
施術スペースでは、施術ベッド、施術者が座るスツール、化粧品やタオルを置くワゴンなどが基本的な設備になります。
温かいタオルを使用する施術であれば、タオルウォーマーも営業初日から必要です。
ベッドはお客様が横になるための家具であると同時に、施術者が長時間使う業務用設備でもあるため、店舗に置けるサイズかどうかまで確認しておきましょう。
ワゴンは施術中に必要な用品を手元に置ける一方で、大きすぎると施術者やお客様の移動を妨げ、使いにくくなることがあります。
開業用品を一つずつ探すより、営業日に実際に使う設備が揃っているかを確認する方が、買い忘れにも気づきやすくなります。
提供するメニューに合わせて必要になる美容機器
美容機器は、エステティックサロンだからといって同じものを揃えるのではなく、フェイシャル、ボディ、脱毛など、提供する施術によって必要な機器が変わります。
オールハンドで行う施術と美容機器を使う施術では、開業時に用意する機材だけではなく、施術用の化粧品や備品も異なります。
機器だけを先に購入すると、実際のメニューでは使用しないものまで増えてしまうため、営業開始日に提供する施術内容と合わせて考えることが大切です。
美容機器や設備にかかる費用については、何を用意するのかとは分けて考えます。
美容機器には設置するスペースも必要になる
美容機器やベッドは、購入できるかどうかだけではなく、店舗内に設置し、施術中に安全に使える広さがあるかまで確認します。
本体のサイズだけではなく、施術者が動く場所やワゴンを置く場所、コード類や付属品を扱う場所、使用後の掃除やメンテナンスを行うスペースも必要です。
サロンによって使えるスペースは異なるため、購入前にベッドや美容機器を置いた状態を想定し、施術者が無理なく動ける広さがあるかを確認しておきましょう。
エステサロン開業で揃えるタオル・化粧品・衛生用品

【タオルや化粧品は量だけではなく、施術ごとに交換できる枚数や保管場所、洗濯の動線まで考えて用意することが大切です。】
大型の設備が揃っていても、毎回の施術で使うタオル、シーツ、ガウン、化粧品、オイル、ジェル、コットンなどがなければ営業を続けることはできません。
これらは使用するたびに交換や補充が必要になるため、開業時には「あるかどうか」だけではなく、営業日に使用し、洗浄や補充に回せる状態まで考えて用意します。
タオル・シーツ・ガウンなどお客様の肌に触れるもの
タオル、シーツ、ガウンはお客様の肌や身体に直接触れるため、施術ごとに清潔なものへ交換できるように準備します。
フェイシャルとボディでは必要なタオルのサイズが異なり、ベッドに敷くシーツやお客様が着替えるガウンも施術内容によって変わります。
汚れたリネンと未使用のリネンを同じ場所で扱わないよう、保管場所まで考えておくと、営業中の交換もスムーズです。
開業日に必要なのは大量の在庫ではなく、その日の予約人数に合わせて、施術ごとに清潔なものへ交換できる枚数です。
施術用化粧品・オイル・ジェル・コットンなどの消耗品
施術用の化粧品、オイル、ジェル、コットン、スポンジなどは、施術のたびに使用する消耗品です。
フェイシャルで使うクレンジングや化粧品、ボディで使うオイル、機器に合わせて使うジェルなど、営業初日に行う施術から必要なものを確認しましょう。
業務用の商品は容量が大きいこともありますが、最初から多く持つことと、必要な量を切らさずに管理することは別です。
仕入れ先や発注方法も確認しておくと、必要な量を管理しやすくなります。
消毒用品・清掃用品・使い捨て用品も営業前に用意する
施術ベッドや美容機器を用意していても、手指や機材に使う消毒用品、サロンを清潔に保つための清掃用品がなければ、衛生管理はできません。
施術内容に応じて使い捨てのシーツやペーパー類、手袋などを使用する場合は、それらも施術用品と一緒に用意しておきます。
営業中はお客様が入れ替わるたびに、使用した場所を掃除し、次の施術に向けて清潔な環境へ整える必要があります。
消毒や清掃はオープン後に考える付け足しではなく、お客様を迎える日から必要となる用品として準備しておきましょう。
お客様を迎えるために必要な備品・書類

【カウンセリングでは、書面で確認することと対話で確認することを分け、お客様が椅子とテーブルで落ち着いて話せる環境を用意することが大切です。】
勤務していたサロンでは、カウンセリング用の家具や筆記用具、カルテ、スリッパ、荷物置きなどが最初から用意されていたため、独立すると見落としやすい部分です。
施術に直接使わないものでも、お客様を迎えてカウンセリングを行い、着替えや身支度をしていただくためには必要です。
インテリアを揃えることを目的にするのではなく、お客様が来店してから施術に入り、施術後に帰るまでの流れで何を使うのかを確認しましょう。
カウンセリングで使う椅子・テーブル・筆記用具
カウンセリングでは、お客様と向かい合って話をするための椅子とテーブル、内容を書き留めるための筆記用具が必要です。
施術ベッドの横で立ったまま説明するのではなく、予約内容やお客様の希望を確認し、必要な説明ができる場所を用意します。
高価な家具を揃える必要はありませんが、書類を広げられ、お客様が落ち着いて話せる環境は営業初日から必要です。
照明も雰囲気を演出するためだけではなく、カウンセリングシートを読み、施術前後の状態を確認できる明るさを考えておきましょう。
カウンセリングシート・カルテ・説明に使う書類
カウンセリングシートやカルテは、お客様の情報や来店目的、施術内容、使用した化粧品や機器などを記録するために使います。
施術前に説明する内容がある場合は、口頭で伝えることと書類として残すことを分けて用意しておくと、毎回その場で最初から考え直さずに済みます。
勤務していた時は受付や店舗側が準備していた書類も、独立後は自分のサロンで使える形に整える必要があります。
スリッパ・荷物置き・鏡など来店時に使う備品
お客様がサロンへ入ってから施術室へ移動するまでには、スリッパ、荷物置き、ハンガーなど、施術とは別の備品を使います。
施術後に髪や服装を整えていただくのであれば、鏡や身支度に使うスペースも必要です。
こうした用品は、一つひとつは小さくても、オープン日にお客様を迎えて初めて不足に気づきやすいものです。
「施術に使うかどうか」ではなく、「お客様が来店してから帰るまでに使うかどうか」で考えると、必要な接客用品も確認しやすくなります。
エステサロン開業で予約・記録・会計に必要なもの

【営業初日は、予約の受付から料金の受け取りまでが滞りなく行えるように準備しておきましょう。】
施術用品が揃っていても、予約を受け、来店内容を記録し、会計まで終えられなければ営業は完結しません。
予約受付に使う連絡手段、顧客情報や施術記録を残すもの、料金を受け取るための会計用品まで、オープン前に確認しておきましょう。
ここで必要なのは、高機能な予約・管理システムを導入することではなく、営業初日から予約、記録、会計を滞りなく行える状態を整えることです。
予約を受けるための電話や連絡手段
予約を受け付けるためには、お客様が連絡でき、サロン側が予約日時や変更内容を確認できる手段が必要です。
電話で受けるのか、別の予約方法を使うのかにかかわらず、誰の予約がいつ入っているのかを管理できるようにしておきます。
会計・決済・領収書に必要なもの
施術が終わった後には、料金を受け取り、必要に応じて領収書を渡せるように準備しておきます。
現金を扱うのか、決済端末を使うのかによって用意するものは変わりますが、営業初日に選んだ支払い方法で会計できる状態にしておくことが大切です。
会計で使用する端末や備品は、受付周辺に置けるのか、施術後にお客様を待たせずに使えるのかまで確認します。
決済サービスの商品比較や手数料、経理の方法まではここでは扱わず、料金の受け取りと領収書の発行ができる状態を整えておきます。
お客様情報と売上を記録するために使うもの
お客様の来店後には、来店記録や施術内容、売上など、次回以降の対応に必要な情報を記録します。
紙のカルテを使うのか、パソコンやタブレットで管理するのかはサロンによって異なりますが、どこに何を記録するのかは営業前に決めておきましょう。
予約情報、カウンセリングの内容、施術記録、会計記録が別々の場所に散らばると、次回来店時の確認に時間がかかります。
開業時には、まず日々の業務に必要な記録を残せる状態まで準備しておきます。
営業初日に必要なものと後から追加できるものを分ける

【開業前にすべてを揃えるのではなく、営業初日に必要なものと、営業後に追加できるものを分けて準備すると効率的です。】
必要なものを調べ始めると、照明、家具、インテリア、おもてなし用品なども目に入り、すべて揃えてからオープンした方がよいように感じます。
しかし、営業初日になければカウンセリングや施術、衛生管理、会計ができないものと、営業後にお客様の使い方を見ながら追加できるものは同じではありません。
開業前にすべてを購入するのではなく、営業開始日に必要なものと、営業を始めてから必要性を判断できるものを分けると、準備する範囲が分かりやすくなります。
営業初日になければ困るもの
施術ベッド、施術で使う機器や化粧品、タオル類、衛生用品、カウンセリング用品、予約を確認するもの、会計用品などは、営業初日から使用します。
これらは「あると便利」なものではなく、お客様の来店から会計までのどこかで実際に使うものです。
予約されたお客様を一人迎える場面を最初から最後までたどり、その途中で必要になるものが揃っているかを確認する方が、商品一覧を見続けるよりも不足に気づきやすくなります。
営業後に追加できるもの
一方で、すべてのインテリアや演出用品を開業前から完成させる必要はありません。
追加の収納家具や装飾用の照明、お客様向けの細かなアメニティなどは、営業を始めてから「ここにあると使いやすい」と気づき、追加できるものもあります。
お客様を大切に迎えたいと思うほど、開業前に多くのものを用意したくなりますが、その思いと営業初日の必要性は分けて考えましょう。
開業前にすべてを揃えることよりも、営業初日に必要なものを先に用意し、必要に応じて後から追加する方が、購入するものを決めやすくなります。
提供する施術によって必要なものは変わる
フェイシャル、ボディ、脱毛では、使用する機器、化粧品、オイル、ジェル、リネン類が異なります。
そのため、開業用品を一律に揃えるのではなく、営業初日に提供する施術で何を使うのかを基準に考えましょう。
エステサロン開業で必要な物品と資格・手続きは分けて確認する

【物品の準備と資格・届出では性質が異なるため、準備する項目を分けて考えると混乱を防ぎやすくなります。】
「エステサロンの開業に必要なもの」と検索すると、設備や備品と一緒に、資格、開業届、保健所、法律、保険などの情報も出てきます。
これらも営業前に確認しておく必要がありますが、ベッドやタオルのように購入して揃えるものとは種類が異なります。
営業で使う物品の準備と、資格や行政への手続き、法律上の確認を分けることで、「まだ何を買えばよいのだろう」という迷いも減らしやすくなります。
資格が必要なのかは別の記事で確認する
提供するサービスによって資格や免許の確認が必要になるため、物品の準備とは分けて考えます。
開業届や届出などの手続きは別の記事で確認する
カウンセリングシートやカルテ、領収書は営業で使用する書類ですが、開業届や行政へ提出する書類は別の準備です。
税務署への提出や、保健所への届出が必要かどうかなどは、予定している営業内容に合わせて確認します。
法律・保険は営業前の確認事項として分けて考える
設備や備品が揃っていても、施術や契約、説明、広告、事故への備えについては、物品とは別に確認する必要があります。
法律の詳しい内容や、事故・トラブルに備える保険についても、物品の準備とは分けて考えましょう。
物品の準備と資格や手続き、法律上の確認を分けると、開業前に何を購入する必要があるのかも分かりやすくなります。
エステサロン開業に必要なものを来店から会計まで確認

【お客様が来店してから会計を終えるまでの流れをたどることで、開業時に本当に必要なものが明確になります。】
エステサロン開業に必要なものは、ベッド、美容機器、タオル、化粧品といった商品名を並べるより、お客様が来店してから会計を終えるまでに何を使うのかという流れで確認すると分かりやすくなります。
受付、カウンセリング、着替え、施術、衛生管理や清掃、身支度、予約・記録・会計まで順にたどると、自分のサロンでまだ用意できていないものを確認できます。
必要なものが多く感じられるのは、開業経験がないことに加えて、勤務していた時にはサロン側が用意していた営業用品まで、自分で準備することになるためです。
また、営業開始日に必要なものと営業後に追加できるものを分ければ、すべてを開業前に買い揃える必要はありません。
エステティックサロンを開業すると、施術だけではなく、予約管理や会計、お客様対応など、勤務していた時にはサロン側が行っていた仕事も自分で担うことになります。
物を揃える準備とは別に、開業後のサロン経営についても知っておきたい方に向けて、JESMAではエステティックサロン経営の基礎を学べる動画シリーズをご用意しています。ぜひご活用ください。