エステティシャンで独立に向いている人とは?性格より先に考えたい働き方の違い
「いつかは自分のサロンを持ちたい」と考えながらも、「私は独立に向いているのだろうか」と迷っているエステティシャンは多いです。
施術やカウンセリングを担当するお客様が増え、技術や接客に自信が持てるようになると、自分のサロンを持つ働き方を考えるきっかけにもなるでしょう。
お客様から評価された経験が増える一方で、独立しているエステティシャンを見ると、行動が早く、営業や発信にも積極的に見えるため、「自分とは性格が違う」と感じることがあります。
エステティシャンとして仕事に向いていることと、独立後の働き方が合っていることは同じではありません。
勤務している時には、予約や料金、お客様への対応などをサロン側が決めていますが、独立すると、それらも自分で考える仕事になります。
この記事では、「どのような性格なら独立に向いているのか」と人物像を決めるのではなく、勤務している時と独立後では仕事がどう変わるのかを比べながら、独立への向き不向きを考えていきます。
エステティシャンが独立に向いているのか迷う時に考えていること

【独立に向いているかは他人と比較して決めるのではなく、自分が何を重視しているかを基準に判断することが大切です。】
今まで積み重ねてきた施術や接客の経験と、すでに独立している人の姿を比べる中で、「自分にもできるのか」「自分には向いていないのか」と考え始めます。
施術や接客を評価された経験があっても、独立している人の行動力や発信している姿を見ると、技術力や性格など自分と比べやすい部分で独立への向き不向きを考えてしまいがちです。
まずは、行動の速さ・発信・技術への評価のうち、自分が何を見て『向いている』『向いていない』と感じているのかを考えてみましょう。
お客様から信頼されると自分のサロンを考え始める
エステティックサロンで勤務を続けていると担当するお客様が増え、「次回もお願いしたい」と言ってもらえる機会も増えていくでしょう。
カウンセリングで悩みを聴き、施術後の変化を一緒に確認する時間を重ねることで信頼関係も深まります。
お客様に「あなたなら自分でサロンを持ったらいいのに」「独立しないのですか」と言われると、それまで漠然としていた独立を具体的に考え始める方も多いものです。
自分の技術や接客を必要としてくださるお客様がいることは、エステティシャンとして積み重ねてきた経験の一つと言えるでしょう。
ただ、お客様から信頼されていることと独立後の仕事のすべてが自分に合っていることは、分けて考える必要があります。
お客様への施術を担当する仕事と、予約・料金・お客様への対応などを自分のサロンとして決める仕事では、求められる役割が違うからです。
独立している人と自分を比べると向いていないように感じる
独立して個人サロンを経営している人を見ると、自分より行動が早く、自信を持って仕事をしているように見えてしまいます。
新しいことを始めるのが早かったり、自分の考えを言葉にすることが得意だったりすると「こういう人が独立に向いているのだろう」と考えてしまいがちです。
営業や発信に積極的な人と比べ、「私はそこまで積極的に動けない」と感じる方もいるでしょう。
しかし、外から見えているのはその人が現在仕事をしている姿であり、独立前に何を知らなかったのか、どのように学んだのかまでは分かりません。
独立への向き不向きを考える時は、誰かの目立つ強みを見て「これが独立できる人の条件」と決めないようにしましょう。
エステティシャンの独立は性格だけで向き不向きを決められない

【独立で問われるのは性格だけでなく、予約や料金など具体的に何を自分で決めるかを理解することです。】
明るい性格や積極性、決断の早さは仕事の進め方に影響しますが、それだけで独立後の仕事に向いているのかまでは決まりません。
慎重な人でも、予約や料金、お客様への対応に必要な情報を確認してから判断できます。
反対に、行動が早くても確認する内容が分からないまま決め続けると、後から考え直さなければならない場面も出てくるでしょう。
独立への向き不向きを性格だけで決めると、予約・料金・お客様への対応など、独立後に自分で判断する仕事を考えないまま結論を出してしまいます。
性格で向き不向きを考える前に、独立すると自分で何を判断するようになるのかを考えていきます。
行動力があることとサロンの判断ができることは同じではない
独立という言葉には、「行動できる人」「自分で決められる人」というイメージを持ちやすいものです。
もちろん、何かを始める時には自分で選択して動く場面もあるでしょう。
ただ、サロンで必要になる判断は早く決めることが目的ではありません。
例えば、予約の受け方・料金・お客様からの相談への対応などは、サロンとしての基準や対応方針を確認してから決める仕事です。
すぐに答えを出せることと、必要な内容を確認したうえで判断することは同じではありません。
そのため、「行動が早くないから独立に向いていない」と決める必要はないのです。
独立後の働き方を考える時は、行動の早さではなく、予約の受け方・料金・お客様への対応に必要な情報を確認し、自分のサロンとして決めていく仕事が自分に合うのかを考えます。
慎重に考えることを独立に向いていない理由にしない
独立を考えた時にすぐ決められず、「本当に自分にできるだろうか」と慎重になる方もいるでしょう。
その迷いから、「私は決断力がない」「経営者には向いていない」と考えてしまいます。
でも、自分で担当したことがない仕事について迷うのは珍しいことではありません。
勤務している時には自分で決める必要がなかった内容まで、独立後は自分で考えて決める仕事になるからです。
分からないことが多い段階で慎重になることと、独立という働き方に向いていないことは同じではありません。
「慎重な性格だから」と結論を出す前に、今分からないことは何なのか、独立後のどの仕事を考えた時に迷うのかを一度考えてみましょう。
エステティシャンとして向いていても独立後には別の仕事が加わる

【施術やカウンセリングの経験は独立後の土台になりますが、同時にサロン運営の判断が別に加わる点を意識する必要があります。】
施術やカウンセリングが好きで、お客様との時間を大切にできることは独立後にも大切な土台です。
技術を磨き、お客様の悩みを聴きながら、その方に必要なサービスを考えてきた経験は独立後にも活かせます。
一方、自分のサロンを持つとエステティシャンとして行ってきた仕事に加えて、サロンとして何をするのかを自分で決める仕事も加わるのです。
エステティシャンとしての仕事とサロンについて自分で決める仕事を一緒に考えてしまうと、「技術には自信があるから独立にも向いている」「自分でサロンについて決めることには自信がないから独立には向いていない」と考えてしまいます。
エステティシャンとして仕事ができることと、自分のサロンを持って働くことが自分に合うのかは、同じ基準では判断できないのです。
施術やカウンセリングが得意でも決める仕事は別にある
勤務中は、カウンセリングでお客様の状態を確認してから施術を行い、その後の接客まで担当している方も多いでしょう。
技術力やコミュニケーションのスキルを身につけ、お客様一人ひとりに合わせて対応することもエステティシャンとして大切な仕事です。
ただ、勤務先では営業時間や予約の受け方だけではなく、提供するメニューやサービスにも一定の基準があります。
営業時間や予約の受け方などが決まっている勤務先では、担当するお客様に集中しやすい環境です。
独立後は、サービスを提供する側であると同時に、「自分のサロンではどうするのか」を考えて決める側にもなります。
技術を提供する力と、サロンについて必要な判断をする力は別の役割です。
これまで積み重ねてきた技術や接客の経験は独立後にも活かせますが、予約や料金などを自分のサロンとして決める仕事は、勤務中とは別に加わります。
お客様への思いだけでは決められない内容もある
自分のサロンを持ちたいと考える方には、「もっとお客様に喜んでほしい」「自分がいいと思うエステティックを届けたい」という思いもあります。
長く接客をしてきた方ほど、お客様の希望にできる限り応えたい気持ちも強いものです。
ただ、お客様を大切にすることと予約の受け方・料金・お客様への対応をその都度希望に合わせて決めることは同じではありません。
予約の受け方・料金・お客様への対応には、お客様への思いとは別にサロンとして決めておく内容があります。
独立すると、エステティシャンとしてどのようなサービスを提供したいのかを考えると同時に、サロンオーナーとして予約や料金、お客様への対応をどうするのかも自分で決める役割を担います。
お客様を大切にしたいという思いがあっても、予約の受け方や料金などは、サロンとして別に決めなければならない内容です。
独立したエステティシャンは自分で決める仕事が増える

【独立するとこれまでサロン側が決めていた予約や対応方針を、自分で考えて決める役割が増えます。】
勤務しているエステティックサロンでは、日々使っている予約方法・料金・メニュー・お客様への対応など多くの内容がすでに決まっています。
スタッフとして働いていると、そのルールに沿って対応することはあっても、どのように決められたのかまで考える機会は少ないものです。
独立すると、今までサロン側が決めていた内容について自分で判断する立場へ変わります。
ここが、エステティシャンとして働き続けることと、自分のサロンを持つ働き方の大きな違いです。
勤務中はサロンとして決まっている内容をもとに働いている
勤務先に出勤すると、その日の予約表を見ながら担当するお客様や施術内容を確認して仕事を始めるのが日常です。
営業時間・予約枠・料金・施術に必要な時間・メニューの内容などは、すでにサロンとして決められています。
ただ、その基準をオーナー・本部・マネージャーなど誰が決めたのかまで意識する機会は少ないものです。
予約の時間を何分にするのか、どの内容をお客様へ案内するのか、サロンとして何を優先するのかも、スタッフが対応する前に決められている内容です。
独立を考える時は、今自分がしている仕事に加えて、勤務先では別の人が担当していた仕事もあることを知っておく必要があります。
独立すると迷った時に判断する人も自分になる
独立後は、分からないことが出た時に勤務中のように上司や店長へ確認することはできません。
これまで「サロンではこう決まっています」と案内していた内容も、独立後は自分が「どうするのか」を考える側になります。
これは、何でも一人で即答しなければならないという意味ではありません。
確認が必要なら関係者に問い合わせ、自分では分からない内容は調べて確認したうえで、自分のサロンとしてどうするのかを決める役割を担うということです。
自分のサロンとして判断する仕事があると分かれば、「積極的な人だから独立できる」と考えるのではなく、「自分で考えて決める仕事が自分に合うのか」と考えられます。
何でも一人で知っている必要があるわけではない
独立を考えると、「経営・法律・営業についても最初から全部知っていなければいけない」と感じる方もいるでしょう。
サロンを運営する仕事の中に知らない内容があると、「これでは独立できないのではないか」と考えてしまいます。
しかし、エステティシャンとして働き始めた時も最初からすべての技術や知識を持っていたわけではないはずです。
必要な技術を学び、施術や接客の経験を重ねながら仕事を覚えてきたのではないでしょうか。
独立後の仕事についても、予約の運用や料金設定などを知らないという理由でその働き方に向いていないとは限りません。
「知らないから無理」と決める前に、分からないことが出た時に調べたり確認したりしながら、自分で判断していくことも独立後の仕事です。
エステティシャンの独立への向き不向きは知らないことへの向き合い方も関係する

【独立への向き不向きは知識の有無ではなく、分からないことを確認し学びながら自分で判断できるかどうかで考えましょう。】
独立前に経営の知識が十分でないこと自体は不向きの証拠ではありません。
ただし、知らないことを感覚で決め続けるのではなく、分からない内容は確認する必要があります。
必要なことを学びながら自分で判断していく働き方が、自分に合うのかを考えることも必要です。
分からないまま感覚で決め続けることとは分けて考える
施術や接客で身につけた「その場の判断」は大切な経験です。
しかし、予約の受け方や料金などは、必要な情報を確認したうえで自分のサロンとして決めなければなりません。
これまで担当していない仕事まで施術や接客の経験だけで同じように判断すると、「何となくこれでいい」という決め方になりやすい点には注意が必要です。
知らないことを学ぶことも独立後の仕事になる
自分のサロンを持つと、予約や料金設定など、これまで担当していなかった仕事について学ぶ場面が出てきます。
学ぶこと自体は、独立に不向きな証拠ではありません。
必要な知識を学び、分からないことを確認しながら自分で決めていく働き方が、自分に合っているのかを考えることも必要です。
エステティシャンの独立は技術力や経験の長さだけでは判断しない

【技術力は独立後の大切な土台ですが、予約や料金などサロン運営の判断力は別の要素として分けて考える必要があります。】
技術力や経験は、独立後にもお客様へサービスを提供するための大切な土台です。
ただ、「技術が高いから独立に向いている」「経験が短いから向いていない」と、技術力や経験年数だけで独立への向き不向きは決まりません。
技術や実務経験はエステティシャンとして積み重ねてきたものですが、独立後にはサロンについて自分で判断する仕事も加わるからです。
経験年数が長いか短いかで決めるのではなく、これまでの経験と、自分のサロンを持つ働き方が合っているのかは分けて考える必要があります。
技術力があることは独立後にも大切な土台になる
お客様の状態を確認して施術内容を考え、安全にサービスを提供するためには技術と経験が欠かせません。
カウンセリングで話を聴く力や施術中の変化に気づく力は、これまで積み重ねてきた大切な強みです。
来店されたお客様に安心して過ごしていただく接客も、これまで積み重ねてきた経験の一つと言えます。
技術力があることを「独立には関係ない」と考える必要はないでしょう。
一方で、技術力が高くても予約の受け方・料金・お客様への対応まで自然に判断できるわけではありません。
エステティシャンとして提供する技術と、サロンオーナーとして自分で決める仕事は別です。
経験年数が気になる時は向き不向きとは分けて考える
独立を考え始めると、「自分はまだ経験が短いのではないか」「もっと長く勤務してからの方がいいのではないか」と実務経験が気になる方も多いでしょう。
反対に、長く勤務していると、「これだけ経験があるなら独立できるはず」と考える方もいます。
これまでの実務経験は大切ですが、経験年数が長いことと、自分でサロンについて判断する働き方が合っていることは同じではありません。
何年の実務経験が必要なのかは、この記事で扱う独立への向き不向きとは別のテーマです。
「経験が短いから不向き」「長いから向いている」と年数だけで決めず、自分が独立後の仕事をどう受け止めるのかも考える必要があります。
エステティシャンが独立に向いているのかは完璧な経営者像で決めなくてよい

【独立に必要なのは完璧な経営者像ではなく、分からない点を確認し学びながら自分で決めていける働き方です。】
エステティシャンが独立に向いているのかを、明るさ・行動力・営業力・技術力だけで判断するのは難しいものです。
エステティシャンとしてお客様に向き合う仕事と、自分のサロンについて考えて決める仕事は、同じ仕事ではないからです。
勤務している時には、予約やサービスの提供方法など、サロン側が決めた内容をもとに働いていますが、独立すると、それらについて自分で判断する仕事が増えます。
ただし、何でも知っている完璧な経営者にならなければならないという意味ではありません。
分からないことがあれば確認し、必要な知識を学びながら、自分のサロンではどうするのかを決める仕事も増えます。
慎重な性格や今は知らない内容があることを、そのまま「独立に向いていない」という結論にする必要はありません。
独立への向き不向きを考える時は、「経営者らしい人に見えるか」ではなく、分からないことを確認しながら自分で決めていく働き方が、自分に合っているのかを考えることが大切です。
お客様によりよいサービスを届けたいという思いがあっても、独立後は予約や料金、お客様への対応などを自分のサロンとして判断する仕事も担当します。
独立するかどうかを考える時には、独立後に自分が担当する仕事を知ったうえで、その働き方が自分に合うのかを考える必要があります。
JESMAの動画シリーズでは、エステティシャンとして働いてきた方が、サロン経営でどのようなことを考える必要があるのかを分かりやすく解説しています。
「独立するべきか」を急いで決めるための動画ではありません。
独立後に自分が担当する仕事を知り、自分に合う働き方なのかを考える材料としてご覧ください。