個人サロンの価格の見直し|値上げ・客単価・安いメニューが気になる時に考えたいこと
個人サロンの価格の見直しを考え始めると、「今の価格のままでいいのだろうか」と迷うことがあります。
開業した頃から料金はほとんど変えていないのに、施術時間が長くなったり、メニューが変わったりしています。
さらに、カウンセリングや施術後にお伝えする内容も増えてきました。
でも、月末に売上を確認すると、思っていたほど売上が伸びていないと感じることがあります。
そして、カウンセリングでメニューを説明しても、低価格メニューへの予約が続くと「この値段だから安いメニューばかり選ばれるのではないか」と考えてしまいます。
値上げをした方がいいのか、周辺サロンの相場に合わせた方がいいのかと迷うようになります。
長く来店されているお客様の負担を考えると、簡単には料金を変えられないこともあります。
メニューに付けている価格と1回来店あたりの客単価は、それぞれ別の問題です。
また、安いメニューへの予約の偏りも、価格や客単価とは別に考えます。
この記事では、料金そのもの、客単価、低価格メニューへの予約の偏りを分けながら、価格の見直しを考えていきます。
個人サロンで価格の見直しを考え始める時に起きていること

【個人サロンの価格の見直しは、売上や施術内容の変化を確認して「何が変わったか」をまず分けることが出発点です。】
個人サロンで価格の見直しを考え始めるのは、料金表を見た時だけではありません。
月末の売上を確認した時や、低価格メニューへの予約が続いた時に、今の価格が気になり始めます。
また、開業した頃より施術内容や時間が増えていることに気づくと、「今の価格のままでいいのか」と考えるようになります。
お客様が利用しやすい料金を大切にしてきたサロンほど、値上げには慎重になるものです。
長く来店されているお客様がいる場合は、「急に料金を変えたら負担になるのではないか」と考えるのも自然です。
ただし、以前と同じ料金を続けていることに違和感が出てきたのであれば、価格を決めた時と現在で、施術時間や提供内容がどのように変わったのかを比べる必要があります。
開業時から同じ料金でも施術内容は変わっている
開業時の価格設定では、周辺の価格帯を調べながら料金を決めます。
また、初めてのお客様にも利用してもらいやすい値段を考えるものです。
開業時から高い料金を提示することに迷いがあり、利用しやすい価格から始めたサロンもあるでしょう。
ただ、開業当初と現在では提供している内容が変わっているサロンもあります。
例えば、施術時間が以前より長くなったり、施術内容が増えたりします。
さらに、カウンセリングで確認する内容も増えています。
これは、お客様により満足してもらいたいと思い、施術内容を増やしたり、カウンセリングで確認する内容を増やしたりしてきた結果です。
料金を変えずに続けてきたこと自体を問題にする必要はありません。
一方で、価格を決めた時から提供内容が変わっているのであれば、当時の料金を現在のサービスにそのまま当てはめてよいのかを考える必要があります。
月末の売上を見ると今の価格が気になり始める
カウンセリングも施術も行い、一日が終われば「今日もよく働いた」と感じることもあります。
ところが、月末に売上を確認すると「これだけ施術をして、この売上なのか」と感じる時も出てきます。
その時、最初に「今の価格が安いのではないか」と考えはじめます。
予約数を急に増やすことが難しい個人サロンでは、一つひとつのメニュー料金が気になるようになります。
だからといって、売上が思ったほど上がっていないことと、今の価格が安すぎることをすぐに同じ問題として考えることはできません。
この時は、メニューに付けている価格が気になっているのか、1回来店あたりの売上が気になっているのかを分けて考える必要があります。
価格だけを変更する前に、何を見て「今の料金ではいけない」と感じたのかを確認する必要があります。
安いメニューへの予約が続くと価格設定を疑いたくなる
カウンセリングでいくつかのメニューを説明していても、価格の低いメニューへの予約が続くと料金設定そのものが気になり始めます。
「おすすめはどれですか」と聞かれた時にも、サロン側はお客様の希望を考えて案内しています。
それでも、結果として低価格のメニューへの予約が続きます。
予約表を見ても安いメニューが多ければ、「この価格だから安い方ばかり選ばれるのではないか」と感じることがあります。
入口として用意したメニューが予約につながっていること自体は、悪い結果ではありません。
ただ、安いメニューへの予約が多いことと、そのメニューの価格が安すぎることは同じではありません。
安いメニューへの予約が多い時は、そのメニューの価格が安すぎるのか、それとも予約が低価格メニューに偏っているのかを分けて考える必要があります。
ここを分けないまま価格だけを変更しても、今抱えている悩みの解決にはつながりません。
個人サロンの価格の見直しを値上げだけで考えない

【個人サロンの価格の見直しでは、値上げ以外に客単価や予約の偏りを分けて確認することが先です。】
個人サロンの価格の見直しと、値上げは同じではありません。
「今の料金ではいけない気がする」と思った時に、すぐに「何円上げようか」と考えてしまうことがあります。
すると、客単価やメニューへの予約の偏りまで、すべて料金変更で解決しようとしてしまいます。
ただ、価格改定を決める前に、今の料金が気になり始めた理由を確認する方が先です。
売上が思ったほど上がらない時は、メニューの料金が気になっているのか、客単価が気になっているのか、それとも低価格メニューへの予約の偏りが気になっているのかを分けて考えます。
何が気になっているのかによって、確認する内容は変わります。
売上が思ったほど上がらないことと価格が安いことは別
月末の売上を見て「もう少し売上があってもよいはず」と感じると、価格を上げることが最初の選択肢になりやすくなります。
メニュー料金を上げれば、同じ予約数でも売上は増えるように見えるからです。
ただ、売上は料金表に書かれている価格だけで決まるものではありません。
どの価格帯のメニューが予約されているのかによって、月の売上は変わります。
また、1回来店あたりの売上がどの程度なのかも関係します。
月の売上が低いからといって、「今の価格設定が間違っている」とはまだ判断できません。
価格を変更する前に、気にしているのはメニューの料金なのか、それとも実際の売上結果なのかを区別する必要があります。
値上げするかどうかより先に何が気になっているのかを分ける
価格の見直しで迷った時は、「値上げするか」「今のままにするか」という二つの選択だけで考えると判断しにくくなります。
同じ「価格の悩み」に見えても、料金そのもの、客単価、低価格メニューへの予約の偏りでは、確認する内容が違います。
例えば、客単価が気になっているのにメニュー料金だけを変更すると、なぜ1回来店あたりの売上が低くなっているのかは分からないままです。
安いメニューへの偏りが気になっているのに、そのメニューの値段だけを上げても、なぜそのメニューが選ばれているのかまでは分かりません。
値上げを決める前に、今の悩みが料金、客単価、予約の偏りのどこにあるのかを確認します。
個人サロンの価格の見直しで客単価まで一緒に考えない

【個人サロンの価格の見直しでは、料金表と1回来店あたりの客単価を分けて確認することが必要です。】
メニュー表に書かれている価格と、実際の1回来店あたりの売上である客単価は別のものです。
客単価が気になると、「メニュー料金を上げればいいのではないか」と考えやすくなります。
しかし、同じ価格のメニューを用意していても、お客様がどのメニューを選択するのかによって1回来店あたりの売上は変わります。
客単価が低いと感じても、すべてのメニュー料金を上げればよいとは限りません。
見直したいのがメニューの価格なのか、実際の客単価なのかを別々に確認します。
メニューの価格と1回来店あたりの売上は同じではない
例えば、料金表に複数のメニューがある場合、それぞれの価格はあらかじめ決まっています。
一方で、実際の客単価は、お客様がどのメニューを選んだのかによって変わります。
価格帯の低いメニューへの予約が多い月と、価格帯の高いメニューへの予約が多い月では、同じ来店数でも売上は同じにはなりません。
この違いを分けずに「客単価が低いから価格を上げよう」と考えると、メニューの価格を変えたいのか、1回来店あたりの売上を変えたいのかが分からなくなります。
料金表に書かれている金額と、実際の客単価を分けて見ることで、どちらを見直したいのかが分かります。
客単価が気になるなら価格の問題とは分けて確認する
予約は入っているのに、月末の売上が思ったほど増えていないと感じることがあります。
この悩みが強い場合は、価格そのものより、1回来店あたりの売上が気になっている可能性があります。
その場合は、価格そのものの問題として考え続けず、客単価の問題として確認する必要があります。
この記事では、客単価を上げる方法までは扱いません。
1回来店あたりの売上や施術時間との関係を詳しく確認したい場合は、個人サロンで客単価が低いと売上が伸びにくい理由で詳しく解説しています。
個人サロンで安いメニューばかり選ばれる時は価格設定だけを見ない

【個人サロンで安いメニューばかり選ばれる時は、価格だけではなくそのメニューの役割や選ばれ方を分けて考えます。】
安いメニューばかり選ばれている時、「この価格設定がよくなかったのではないか」と考えやすくなります。
しかし、初めてのお客様にも来店してもらいやすいように、利用しやすい料金を用意したサロンもあります。
その価格を決めた時には、お客様にサロンを知ってもらいたいという理由があったはずです。
また、まず施術を体験してもらいたいという思いもあったでしょう。
利用しやすい価格を用意したこと自体が問題ではない
開業したばかりの頃は、まずサロンを知ってもらう必要があります。
そのため、初めてのお客様にも利用しやすい価格帯を考え、体験しやすいメニューを用意することがあります。
長く営業しているサロンでも、新しく知ってもらうきっかけとして利用しやすい料金を残していることがあります。
その価格を設定した理由があったのであれば、「安いメニューを作ったことが間違いだった」と考えなくてもよいのです。
お客様にとって利用しやすい価格を用意することと、そのメニューに予約が偏ることは別に考える必要があります。
安いメニューへの偏りはメニューの選ばれ方と分けて考える
低価格メニューへの予約が多い時、「値段を上げれば他のメニューも選ばれるのではないか」と考えることがあります。
低価格メニューへの予約が続いている理由まで確認したい場合は、個人サロンのメニューを見直したい時に考えるべきことで、メニューの数や役割、価格差の理由から考えてみましょう。
個人サロンの価格の見直しを相場だけで決めない

【個人サロンの価格の見直しでは、周辺サロンの相場を参考にしつつ自店の施術時間や提供内容を照らし合わせます。】
価格の見直しを考えると、周辺サロンや似たメニューの料金を調べたくなります。
自分の価格が地域の相場より高いのか、安いのかを知ることは、価格を見直す時の判断材料になります。
ただ、他店と同じ価格帯だから適正価格というわけではありません。
同じフェイシャルやボディというメニュー名でも、施術時間や提供内容まで同じとは限りません。
カウンセリングや施術後の対応も、サロンによって違います。
相場を確認することと、その相場に合わせて自分のサロンの価格を決めることは別です。
他店と比較するほど自分の価格が高くも安くも見える
価格が気になり始めると、他店のホームページや料金表を何度も確認することがあります。
自分のサロンより価格の安いサロンを見れば、「この地域では自分のサロンの価格は高いのではないか」と感じます。
反対に、自分のサロンより価格の高いサロンを見れば、「もっと値上げしてもいいのではないか」と考えます。
比較する価格によって、自分のサロンの価格は高くも安くも見えてしまいます。
周辺サロンの価格帯は、自分のサロンの料金を考える時の参考になります。
ただ、他店の料金をそのまま自分のサロンの価格設定の基準にすると、比較するサロンによって判断が変わってしまいます。
相場だけで価格を決めるのではなく、自分のサロンの価格を見直す時の判断材料として確認します。
同じ価格帯でも施術時間や提供内容は同じとは限らない
例えば、同じ60分のフェイシャルでも実際に提供している内容はサロンによって違います。
施術内容や施術前のカウンセリングなど、料金に含まれている内容はサロンによって違います。
さらに、施術後にお伝えする内容にもサロンごとの差があります。
同じ価格帯に見えても、提供しているサービスまで確認しなければ同じ条件では比較できません。
今の価格を見直す時も、周辺サロンの値段だけを基準にすることはできません。
自分のサロンで提供している施術時間やサービス内容に対して、今の料金が合っているのかを考える必要があります。
個人サロンの価格の見直しでは以前と現在の料金を比べる

【個人サロンの価格の見直しは、当時の料金に含まれていた施術内容と現在の提供内容を照らし合わせて判断します。】
個人サロンの価格を見直す時に比べたいのは、他店との料金だけではありません。
自分のサロンで価格を決めた時と、現在の施術内容や料金を比べることも必要です。
例えば、開業した頃には60分で提供していた施術が、今はカウンセリングや施術後の説明まで含めると長くなっています。
さらに、お客様の状態に合わせて提供する内容も増えてきました。
施術内容や提供する時間が以前と変わっているのであれば、当時決めた料金を現在にもそのまま当てはめてよいのかを一度考える必要があります。
価格を決めた時と現在で、施術内容や時間がどう変わったのかを確認します。
価格を決めた時に何を提供していたのかを振り返る
価格の見直しを考える時は、最初に料金を決めた時のことを思い返してみると分かりやすくなります。
まず、その時にどのくらいの施術時間を想定していたのかを振り返ります。
次に、どこまでの施術やカウンセリングを含む料金だったのかを確認します。
そして、お客様へどのような価値を提供するメニューとして価格を決めたのかも振り返ります。
開業した頃は、まず利用してもらうことを考え、少し低い料金から始めたサロンもあるでしょう。
その判断には、開業した当時にその価格を選んだ理由があります。
当時決めた料金に含まれていた施術時間やカウンセリングと、現在提供している内容を比べることが大切です。
今の施術内容と料金が以前と同じ前提なのかを考える
サロンを続けていると、技術もサービスも少しずつ変わります。
新しい技術を学んで施術に取り入れたり、提供する内容を増やしたりすることがあります。
また、カウンセリングでの確認項目が増え、施術後の説明に時間を取るようになるサロンも少なくありません。
お客様によりいい結果を感じてもらいたいと思って続けてきたことです。
この変化が積み重なっているのに、料金だけは開業時のままというサロンもあります。
料金を変えずに続けてきたことにも、お客様への負担を増やしたくないという理由があります。
価格を見直すのであれば、まず現在の施術内容に対して、開業時と同じ料金のままでよいのかを考える必要があります。
ここを確認したうえで価格を変更する必要を感じても、「値上げをしたら今のお客様が離れるのではないか」という不安が残る場合は、価格そのものとは別の悩みとして考える必要があります。
個人サロンの価格の見直しは何が気になっているのかを分けることから考える

【個人サロンの価格の見直しでは、料金・客単価・低価格メニューの偏りのうち、まず何が気になっているかを明確に分けて確認します。】
個人サロンの価格の見直しを考え始めたからといって、これまでの価格設定が間違っていたわけではありません。
例えば、初めてのお客様にも利用してもらいたいと思い、利用しやすい価格を設定してきました。
また、長く来店されているお客様の負担を考え、料金を変えずに続けてきたサロンもあります。
さらに、施術内容を充実させながら、価格はできるだけ据え置いてきたサロンもあります。
どの判断にも、お客様を大切にしたいという理由があります。
ただ、価格、客単価、安いメニューへの偏りを一緒に考えたままでは、「値上げをするか」「今のままにするか」という同じ迷いに戻ってしまいます。
価格の見直しで最初に考えたいのは、何円にするかではなく、料金そのもの、客単価、低価格メニューへの予約の偏りのうち、何が気になっているのかを分けることです。
さらに、他店との相場比較だけで迷っていないかも確認します。
ここが分かると、価格を上げる・下げるという判断を急がずに、自分のサロンで何を確認するのかを決められるようになります。
価格は、お客様に提示する数字であり、サロン経営で決める内容の一つです。
その価格には、施術時間や提供するサービス、売上なども関係しています。
価格以外にも、売上、リピート、メニューなど、どこから確認すればよいのかを考えたい場合は、個人サロンの経営の見直しで、見直す場所を確認してください。
価格を分けて考えたうえで、売上やメニュー、リピートについても自分のサロンでは何を確認すればよいのかを学びたい方へ、JESMAではサロン経営の考え方を動画シリーズで解説しています。
これまでの価格設定を否定するためではなく、今のサロンに合った判断基準を持つために、経営知識を学ぶ機会としてご活用ください。