エステサロンの開業の準備で決めること|オープンまでに確認したい項目
独立を決めると、物件を探しながら機器を選び、開業届や資格についても調べることになります。
調べていくうちに、「これも必要なの?」と、準備することが次々に増えていくように感じることもあるでしょう。
サロンで勤務していた時は、営業時間や予約受付方法、契約、備品の発注などを会社が決めていました。
ところが、自分のサロンを始めると、これまで会社が担っていたことも自分で考え、決めることになります。
開業準備が思うように進まないと、「自分の段取りが悪いのかな」「まだ知識が足りないのかな」と考えてしまい、新しい情報を調べるたびに「これも必要だった」と不安が増えることもあります。
サロンの開業準備には、資金や物件のように自分で決めること、資格や手続き、法律のように営業前に確認すること、ベッドやタオル、消耗品のように実際に用意するものが含まれています。
さらに、資金、営業場所、施術内容は、それぞれを別々に決めればよいものではありません。
営業場所や施術内容によって、必要な設備や費用も変わるためです。
この記事では、オープンまでの準備を「決めること」「確認すること」「用意するもの」に分け、今の自分に何が足りていないのかを把握できるように解説します。
開業準備だけではなく、資金、場所、メニュー、開業後の経営まで独立全体を確認したい方は、エステサロンの独立で考えることもご確認ください。
エステティックサロンの開業の準備は「決めること・確認すること・用意するもの」に分ける

【開業準備は「自分で決めること」「営業前に確認すること」「営業時に用意するもの」の三つに分けると、次に取る行動が明確になります。】
開業準備は、一つの長いリストにするより、「自分で決めること」「営業前に確認すること」「営業時に用意するもの」の三つに分けると、今どこまで準備できているのかが分かりやすくなります。
物件や資金、施術内容はサロンオーナー自身が決めることですが、資格や手続き、法律については、営業を始める前に必要性や条件を確認しておく必要があります。
一方、施術ベッドやタオル、備品、消耗品などは、営業開始までに実際に用意するものです。
この三つをすべて同じ「開業準備」として考えると、備品は揃っているのに手続きは終わっていない、物件は決まっているのに資格の確認が残っている、といったことが起こります。
開業準備が遅れていると感じる時も、性質の異なる項目をまとめて考えているために、何が残っているのか分かりにくくなっていることがあります。
サロンの営業条件として自分で決めること
自分でサロンを始めると、営業場所や提供する施術内容、営業時間、予約受付方法、価格なども自分で決めることになります。
お客様の希望に合わせて施術をしてきた経験があっても、何時まで予約を受けるのか、どの施術を営業の中心にするのかは、サロンオーナー自身で決めなければなりません。
「営業を始める前に自分で決めること」を分けて考えると、備品の購入や手続きの確認とも区別しやすくなります。
何を先に決めればよいのか迷っている場合も、「決めること」「確認すること」「用意するもの」に分けると、開業準備で何が残っているのかを把握しやすくなります。
資格・手続き・法律として営業前に確認すること
資格、開業手続き、届出、法律は、物品を購入して手元に揃えるような準備とは異なり、営業を始める前に確認しておくことです。
予定している施術や営業の形に合わせて、資格が必要なのか、どのような届出が必要なのか、どの法律や規制が関係するのかを、オープン前に把握しておく必要があります。
サロンで勤務していた時は会社側が確認していたことも、自分で事業を始めると、サロンオーナー自身で確認することになります。
施術や接客で実際に用意するもの
営業当日に使用するものには、施術ベッドや機器、タオル、備品、消耗品、衛生用品などがあります。必要なものは、予定している施術内容や営業の流れによって変わります。
「何を買ったのか」ではなく、「予定している営業に必要なものが用意できているのか」という視点で考えると、備品の準備と他の確認事項を混同しにくくなります。
資金・場所・施術内容は開業準備の中で一緒に考える

【物件や施工、施術を別々に考えると、必要な費用や設備の見落としにつながるため、それぞれが他の準備にどのように影響するのかも合わせて確認します。】
資金、営業場所、施術内容はそれぞれ別のテーマですが、開業準備では互いに深く関係しています。
選ぶ物件によって内装や設備にかかる費用が変わり、提供する施術メニューによっても必要な機器や備品が変わるためです。
そのため、どれか一つを完全に決めてから次へ進むのではなく、決めたことが他の準備にどのように影響するのかを確認しながら進めていきます。
この章では、資金、営業場所、施術内容が、開業準備の中でどのように関係するのかを見ていきましょう。
具体的な資金の金額や場所の比較、施術メニューや価格の詳しい決め方については、それぞれの関連記事で解説しています。
開業資金と予算は物件や設備の内容にも関わる
開業資金を考える時は、機器を購入する費用だけではなく、物件や内装、備品にかかる費用も考える必要があります。
物件や内装、設備、備品などの初期費用に加えて、オープン後の営業に必要な運転資金も開業資金に含めて考えます。
事業計画書に予算をまとめていても、物件や設備を具体的に決めていく中で、実際に必要な費用が変わることもあります。計画していた予算と実際に必要な費用が大きく離れていないか、開業前に確認しておきましょう。
営業場所によって必要な設備や準備内容も変わる
営業場所を決める時は、その場所でどのような設備を使えるのか、どこまで内装を整える必要があるのかも確認します。
自宅やマンション、テナントでは、同じ施術を提供する場合でも、営業開始までに確認することが同じとは限りません。
場所を先に決めればすべてが終わるわけではなく、予定している施術や設備、予算と合わせて考えることが大切です。
提供する施術内容によって機器や備品も変わる
提供する施術が決まると、必要な機器や機材、タオルや消耗品、施術時間なども具体的になります。
反対に、使いたい機器を先に決めると、その機器を使う施術や費用について、後から考え直すことになる場合もあります。
資格・手続き・届出はエステティックサロンの開業前に確認する

【予定している施術内容ごとに、資格や届出が必要なのかを確認すると、開業前に必要な対応が分かります。】
資格、手続き、届出は、ベッドや機器を購入する準備とは分けて、営業を始める前に確認しておく必要があります。
エステティシャンとして勤務していた時に問題なく施術を担当していても、自分で事業を始める時は、提供する施術に必要な資格や手続きがあるのかを、サロンオーナー自身で確認することになります。
「資格があるから大丈夫」「開業届を出せば準備は終わり」とまとめて考えず、資格、開業手続き、届出はそれぞれ分けて見ていきましょう。
開業時の資格は提供する施術内容と合わせて確認する
資格については、「エステティックサロンを開業するための資格」という一つの確認で終わらせず、予定している施術内容と合わせて考える必要があります。
サロンで勤務していた時は、提供するメニューや営業条件が決められているため、資格について自分で確認する機会が少なかった方もいるでしょう。
独立後は、自分のサロンで提供する施術について、資格が必要なのかを事前に確認しておく必要があります。
資格制度や取得方法については、資格を解説する記事で詳しく紹介しています。
エステティックサロンの開業に資格が必要なのかを詳しく確認する
開業手続きは営業前に必要なことをまとめて確認する
個人事業主として事業を始める時は、開業届を含め、どの書類を準備し、どのような手続きが必要なのかを把握しておくことが大切です。
書類を一枚提出すれば営業準備がすべて終わるわけではありません。税務に関する手続きと、提供する施術や営業に関する確認は分けて考えましょう。
エステティックサロンの開業準備では法律と契約の確認も必要になる

【施術として提供できることと、広告で伝えられる表現は分けて考え、どの場面でどのような確認が必要なのかを把握しておきましょう。】
資格や開業手続きを確認したからといって、施術や広告、契約、お客様の個人情報の管理まで自由に行えるという意味ではありません。
営業を始める前には、提供する施術、お客様へ伝える内容、契約時の説明など、それぞれについて必要なことを分けて確認する必要があります。
法律をすべて暗記する必要はありませんが、自分のサロンで予定している施術、広告、契約のどの場面で法律の確認が必要なのかは把握しておきましょう。
施術で提供できる内容と広告で伝えられる表現は分けて確認する
施術として提供できる内容と、その内容をどのような言葉でお客様へ伝えられるのかは、分けて考える必要があります。
開業前には、予定している施術と、お客様へ伝える表現をそれぞれ確認しておきましょう。
コースや契約を扱う場合はお客様への説明も確認する
コースや継続役務を提供する場合は、施術内容や価格を決めることとは別に、契約時にお客様へ何を説明するのかも決めておく必要があります。
お客様に分かりやすく伝えることは大切ですが、口頭で丁寧に説明することと、契約上必要な説明や書類を整えることは同じではありません。
営業開始前には、契約を扱う予定があるのか、必要な説明や書類が整っているのかを確認しておきましょう。
個人情報や同意の取り方も営業前に確認する
個人情報の管理方法や、お客様からどのような同意を得るのかについても、営業開始前に確認しておく必要があります。
一方、予約受付や会計、決済に必要なものは、営業時に用意するものとして分けて考えます。
施術で使用する備品や衛生用品も含め、営業開始までに用意するものについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
施術事故やトラブルに備える保険も開業前に確認する

【施術事故や営業中のトラブルを想定し、提供するサービスに合った保険の補償内容を確認しておくことが必要です。】
技術に自信があるかどうかとは別に、施術事故や営業中のトラブルに備えておくことも、開業準備の一つです。
施術事故や営業中のトラブルへの備えを確認する
お客様へ施術を提供する以上、施術中の事故や営業中のトラブルが起きた時に、どこまで補償を受けられるのかは、営業を始める前に確認しておきたいことの一つです。
技術や接客に十分注意していても、施術中の事故や、お客様の持ち物などに関するトラブルをすべて防げるとは限りません。
開業準備では、事故を起こさないための対策と、万が一トラブルが起きた時の備えを分けて考えておく必要があります。
提供するサービスに合う保険の補償内容を確認する
保険に加入しているかどうかだけではなく、自分のサロンで行う施術や営業内容が、保険の補償範囲に含まれているのかを確認します。
エステティックサロンといっても、提供する施術や使用する機器、営業の形はそれぞれ異なります。
そのため、保険に加入しているというだけで安心せず、自分のサロンで予定しているサービスがどこまで補償されるのかを、営業開始前に確認しておきましょう。
エステティックサロンの開業準備で必要なものは営業の流れに合わせて確認する

【カウンセリングから施術、会計までの流れに沿って必要な備品を揃えると、営業当日の混乱を減らすことができます。】
営業時には、カウンセリング、施術、会計など、それぞれの場面で使用するものが必要です。施術ベッドや機器だけではなく、タオル、消耗品、衛生用品、予約や会計に必要なものも開業準備に含まれます。
カウンセリングと施術で使うベッド・タオル・機材
施術ベッドやタオル、ワゴン、機材など、実際の施術に必要なものを揃えていきます。必要なものは、予定している施術内容によって異なります。
開業準備では、機器やベッドを購入したかどうかではなく、予定している施術を行える状態になっているかという視点で確認しましょう。
衛生管理に必要な消耗品や清掃用品
施術で直接使用するものに加えて、衛生管理や清掃に必要な用品も開業準備に含まれます。
ベッドや機器のような大きな設備に目が向きやすいものですが、営業を始めると、施術ごとに使用する消耗品や、サロン内を清潔に保つための用品も必要になります。
施術で使うものと、衛生管理や清掃で使うものを分けて考えると、営業開始までに用意するものを把握しやすくなります。
予約、会計、決済に必要なもの
営業開始後は、施術だけではなく、予約受付、会計、決済も行うため、それぞれに必要な備品やツールも準備します。
サロンで勤務していた時は、予約をどこで受け付けるのか、会計をどのように行うのか、どの決済方法を利用するのかも会社側で決められていました。
自分のサロンでは、施術に必要なものを揃えるだけではなく、お客様の予約を受け付けてから会計を終えるまでの流れを考え、必要なものを準備しておきましょう。
開業準備で迷った時は「未決定・未確認・未準備」に分けて考える

【準備が進まないと感じたら、残っていることを「未決定」「未確認」「未準備」に分けると、優先順位と次に取る行動が明確になります。】
開業準備を進めても何が残っているのか分からない時は、残っていることを「未決定」「未確認」「未準備」に分けて考えてみましょう。
資金、営業場所、施術内容、営業時間などが決まっていなければ、まだ自分で決めることが残っています。
資格、手続き、届出、法律、契約、保険について確認できていなければ、営業を始める前に確認することが残っています。
施術ベッドやタオル、機器、衛生用品、予約受付や会計・決済の準備が終わっていなければ、まだ用意するものが残っています。
この三つに分けると、「何も終わっていない」と感じていた開業準備も、自分で決めていないこと、営業前に確認できていないこと、まだ用意していないものに整理できます。
開業準備は、ネット上のチェックリストを一つずつ埋めれば終わるものではありません。勤務していた時に会社側が決めていたことも、自分のサロンではサロンオーナー自身で考え、決めることになります。
オープン後も、自分で考え、決めることは続きます。JESMAでは、サロン経営に必要な知識を現場の仕事と結びつけて学べる動画シリーズをご用意しています。
開業準備の先にあるサロン経営についても学んでおきたい方は、ぜひ動画をご覧ください。